当クリニックで行う目の下のクマ(くま)、たるみ治療(経結膜的下眼瞼形成術)の特徴-7

2011年04月19日

下眼瞼形成術に関する後遺症及び合併症について

 

視力、視野、眼球運動 :2005年からこの治療開始し、過去6年間の現在まで約6000例の治療を行った。眼周囲治療で最も懸念される視力や視野などの眼球機能、及び眼球運動障害等は一例もなかった。但し、治療時に用いる局所麻酔が外眼筋にも作用するため、治療直後から一時的な複視がすべての症例で必発するが、局所麻酔の影響が消失する2~3時間で必ず回復する。過去に治療後数日が経過してから眼球上転傾向を訴える症例が数例あったが、診察上で客観的な眼球上転は認めず、経過観察している最中にその訴えは解消された。この症状は局所麻酔の外眼筋への作用と思われるが、確実に解消されるので特記する必要はない。

 

内出血、治療後出血:いわゆる"内出血"が起こるとすれば、下眼窩脂肪へ伸びる末梢動静脈断面から発生すると考えられる。だが熟練した外科医がこういった血管を綿密に止血凝固させると原則的に内出血は発生しない。治療後数時間が経過し局所麻酔が解消されると、この薬剤に含まれる血管収縮剤(エピネフリン1%)の効果が消失し、収縮していた微小血管が拡張し始めるため、出血傾向のある方や高血圧の方ではこれらの血管から微少出血が起こることがある。しかしこの出血は緩徐に起こるので、皮膚表面に出現するのは赤みを帯びた着色程度なことが一般的である。

また治療7~10日程度経過した頃、下眼瞼レーザー照射部位から一時的な出血を認めることがある。これは粘膜再生過程における微弱な新生血管が目をこすったりなどの機械的圧力や血圧上昇などによって、出血を引き起こすと考えられる。だがこの出血もあくまで一時的なもので、一度きりの出血で収束することがほとんどである。

 

色素沈着傾向:治療後の下眼瞼の色素沈着は治療後数日経過し、下眼瞼皮膚の腫脹が解消される頃より一時的に出現することがある。特に肝斑体質や皮膚組織が菲薄している症例ではその傾向が通常より現れやすい。だが治療後1~2ヶ月程度経過すると、治療による炎症が解消され、一時的な色素沈着傾向は必ず解消される。

 

しわ:下眼瞼形成術の一つであるいわゆる"脱脂"治療のみを過剰に行うと、しわが発生することがある。それは"脱脂"のみでは表皮レベルでアンバランスが発生して、しわの原因となるからである。そこで当クリニックで行う独自の下眼瞼形成術では"脱脂"のみでなく、皮膚と皮下組織を完全剥離し、その後で最小限度の脱脂を行うことで、皮膚のアンバランス化を回避するので、新たなしわは発生しない。また既存のしわは残存することもあるが、理論的には下眼瞼構造がシンプル化されるので、治療後には既存のしわも減少するはずである。

 

へこみ:過剰な"脱脂"のみを無配慮に行うと、へこみの発生する可能性が高くなる。そこで当クリニックでは皮膚の挙上操作を重点的に行い、脱脂する脂肪量を最小限とする下眼瞼形成術を行うようにし、へこみが発生しないことを優先的に治療するようにしている。だが一時的なへこみは必ずしも回避出来るとは限らない。その理由は治療後に発生する下眼瞼直下眼輪筋の腫脹により、実際には凹みがないにもかかわらず、凹みが誇張されることがある。この眼輪筋部の腫脹は通常1ヶ月程度で解消されるが、糖尿病や高血圧などの基礎疾患、喫煙習慣や回復が遅延する体質を有している場合などは、完全に腫れが解消されるまで3~4ヶ月程度かかることもある。こういった一時的な凹みを早期に解決する場合は下眼瞼皮膚下に少量にヒアルロン酸注入を行うと大変有効である。ヒアルロン酸は下眼瞼直下に注入すると6~12ヶ月程度残存するため、一度の注入で解決することがほとんどである。希に下眼瞼の腫脹が完全に解消された後、不必要となったヒアルロン酸が膨隆して見えることがあるが、その際はヒアルロン酸分解酵素で不必要となったヒアルロン酸を分解することが可能である。

 

ドライアイ:経結膜的アプローチを行う際、下眼瞼結膜面にレーザーで焼灼しながら下眼窩隔壁へと進入する。下眼瞼結膜には粘膜以外の組織が存在しないため、適切な治療を行う限り機能的な問題が生じない極めて安全な進入アプローチである。但し、高出力レーザー機器を用いると、粘膜組織再生に時間を要するため、一時的なドライアイを訴える症例が過去に存在した。2008年以降、低出力レーザーを用いて治療を行うようになってから、一時的なものでもドライアイを訴えるケースは一例も存在していない。以上下眼瞼形成術に伴う後遺症や合併症の可能性を表-5にまとめた。

 

表-5

 

 

視力、視野、眼球運動

治療後2~3時間、複視の必発

内出血、治療後出血

微少内出血の可能性(1~2%)

色素沈着傾向

肝斑体質の症例で一時的に強調されることあり

しわ

脱脂のみの治療で+の可能性あり

へこみ

脱脂のみの治療で+の可能性あり

ドライアイ

低出力レーザーであればー


目の下のたるみ治療の概要
目の下のくま治療の概要

 

 

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