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2022年9月19日
私の行う目の下のクマ(くま)、たるみ治療を受ける前に必ず目を通していただきたいこと-5

前方アプローチ法と後方アプローチ法の違い

目の下のクマ(くま)、たるみは図-2の如く、下眼窩脂肪の前方突出が主な原因であることがほとんどです。したがって症状改善を図るには、下眼窩脂肪の前方突出部位を出来るだけ正確に軽減除去する必要があります。

図-2

さらに図-3を見ると、前方アプローチ法と後方アプローチ法の進入経路が異なることが分かります。ここで重要なのは、前方アプローチ法では図-4の下眼窩脂肪内に示した矢印の如く、下眼窩脂肪前方部位からの脂肪除去が可能なことです。

図-3
図-4

前方アプローチ法では、目の下のクマ(くま)、たるみの直接的原因である下眼窩脂肪前方突出部位を、肉眼同定した上で正確に除去することが可能です。それに比べて後方アプローチ法では、図-5の如く下眼窩脂肪後方部位からしか脂肪除去できません。

図-5

しかし目の下のクマ(くま)、たるみの直接的原因は、あくまで下眼窩脂肪の前方突出部位です。つまり後方アプローチ法では、下眼窩脂肪を除去する際、後方部位を除去して間接的に前方突出量を軽減させるのみなので、前方アプローチ法に比べて不正確な結果となりがちです。(表-2)

表-2
皮膚を切らない下眼瞼治療のアプローチ法: 前方アプローチ
メリット: 確実、正確な脂肪摘出量
デメリット: 手技がやや困難

皮膚を切らない下眼瞼治療のアプローチ法: 後方アプローチ
メリット: 不確実な脂肪摘出量
デメリット: 手技が容易

また下眼瞼皮膚・皮下構造は繊細で薄いため、不適切な下眼窩脂肪除去を行うと、その悪影響は下眼瞼の凹みやしわの増加として反映されます。したがって、目の下のクマ(くま)、たるみに対する下眼瞼形成術では、前方アプローチ法によって下眼窩脂肪をその前方部位より出来るだけ慎重かつ精密に除去・調節することが、良好で安全な結果を得るための絶対条件となります。

表-3如く本邦では経結膜的下眼瞼形成術の際、後方アプローチ法を用いてきた経緯があります。その証拠に本法の代表的美容外科教科書には前方アプローチ法よりも後方アプローチ法が推奨されています。その主な理由は、後方アプローチ法が前方アプローチ法よりも比較的容易に下眼窩脂肪に到達できるのと、下眼窩脂肪隔壁を損傷せずに治療可能であるためと記載されています。

表-3
皮膚を切らない下眼瞼治療のアプローチ法: 前方アプローチ
使用国: 米国、ヨーロッパ、韓国の一部

皮膚を切らない下眼瞼治療のアプローチ法: 後方アプローチ
使用国: 日本

しかしこの見解は、あくまで若年層の目の下のたるみ治療の適応である脱脂法に対するものであって、それ以外の年齢層の目の下のクマ(くま)、たるみ治療については必ずしも正しい見解ではありません。例えば下眼窩脂肪隔壁の損傷についてですが、目の下のクマ(くま)、たるみ症例では下眼窩隔壁が弛緩しており、少なからず下眼窩脂肪が前方突出しています。

目の下のクマ(くま)、たるみ治療を前方アプローチ法を用いて行う際、すでに弛緩した下眼窩隔壁の機能はほとんどなくこれを切除・除去します。またこの治療では、今後下眼窩脂肪が前方突出することがないよう、下眼窩脂肪も同時に適切に除去します。すなわち下眼窩隔壁自体を除去するので、下眼窩脂肪隔壁を損傷せずに治療可能である後方アプローチ法を用いる意味はほとんどありません。

また前方アプローチ法を用いて行った際、除去した下眼窩隔壁部位には治療後強固な結合組織が増生されます。この結合組織が下眼窩隔壁の代わりとなり、残存下眼窩脂肪を支持するので、下眼窩隔壁を切除・除去しても全く問題はありません。

上記の如く私は目の下のクマ(くま)、たるみ治療において、早期から前方アプローチ法を導入し、試行錯誤しながらさまざまな症例に取り組んできた結果、このアプローチの優位性を確信しました。そして前方アプローチ法を用いて正確な脂肪除去・調整を行えたことが、これまでこの治療において当院が抜きん出ていた主な理由です。

銀座CUVOクリニック目の下のくま治療について
銀座CUVOクリニック目の下のたるみ治療について

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