GINZA CUVO

2011年2月アーカイブ

はじめに

我々はアイコンタクトでコミュニケーションを図るため、目周囲にくまやたるみが存在すると、多大な劣等感の原因となりかねない。そのため、目の下(下眼瞼)のたるみ(buggy eyelid)や、いわゆるくま(クマ)改善を望む方々は予想以上に多く、これらの問題を改善するためのサプリメント、化粧品、エステやマッサージ治療など、さまざま業界から多くのアプローチがなされている。

2005年、インターネット広告業者との協力で、無作為3000人を対象とする美容外科治療に関するアンケートを行った。その中の"受けてみたい美容外科治療は何か"いう項目で、全体数の約8割が眼周囲の治療を一番始めに選択した。特に目の下 たるみ(buggy eyelid)や"目の下 くま(クマ)"は疲れや老化などの印象を与え、多くの人々がこの問題を解決したいと考えている。

従来まで美容外科的にこれらの問題を解決するには、下眼瞼眉毛下皮膚切開法が主に用いられた。しかし下眼瞼皮膚切開を行うと、傷跡ほとんど目立たなくなるとはいえども、必ずなんらかの皮膚切開痕が残存する。多くの人々が目の下の悩みを解決したいと思っても、皮膚切開法を用いて行うとなると治療をためらうことが多かった。

当クリニックでは2005年の開業以来、皮膚切開法を用いずに目の裏側(結膜側)からのアプローチで目の下のクマ(くま)、たるみ治療(経結膜的下眼瞼形成術)を行ってきた。2010年末時点でこの治療の症例は6000例を超えた。目の下のクマ(くま)、たるみ治療の歴史、治療法の比較、これまで当クリニックで行った治療結果の分析、この治療の展望や将来までを検討したい。

目の下のクマ(くま)、たるみの原因

そもそも目の下 くま(クマ)たるみの原因は、皮膚自体の色素やたるみよりも皮下組織の構造にあること場合が多い。別の言い方をすると、目の下 くま(クマ)たるみは皮下構造上の問題が、あたかも皮膚自体にくまやたるみがあるように見せかけている。したがって目の下 くま(クマ)たるみの治療は、その主な原因ではない皮膚自体を切開する必要はなく、その主たる原因である皮下組織の構造上の問題を解消すべきである。

日本人は南方系からやってきた古代モンゴロイド人、氷河期時代に北方からやってきた新モンゴロイド人の混血人種である。新モンゴロイド人とはいわゆるユーラシア内陸に居住するモンゴル人たちで、この人種には寒冷に対応した眼瞼脂肪が多い構造が長年形成されてきた。それに対して古代モンゴロイドはいわゆる南方出身のアジア人であり、寒冷対応の必要がなく、下眼瞼脂肪も比較的少ない。

眼窩脂肪を蓄える構造のない古代モンゴロイド人の眼窩に、大量の眼窩脂肪を持った新モンゴロイド人の遺伝子が掛け合わされると、大量の眼窩脂肪は行き場所を失い、眼窩から脱出し目の下のクマ(くま)、たるみをもたらす。

また比較的皮膚が薄い上にやや色素を伴った古代モンゴロイド人の遺伝子に、幾分かの新モンゴロイド系遺伝子が混入すると、眼窩脂肪量は少なくても、眼窩脂肪支持組織が構築されてしまう。この支持組織は強靱で皮膚と皮下組織を固着させる。この先天的構造が存在すると、眼窩皮膚が間延びした位置に固着され、目の下に影を作りやすくしている。この解剖学的不具合が目の下のクマ(くま)の主たる原因と思われる。


銀座CUVOクリニック目の下のたるみ治療  

             目の下のくま治療

目の裏側(経結膜的)から行う目の下 くま(クマ)治療は、従来までいわゆる"脱脂"と呼ばれる下眼窩脂肪抜去が一般的でした。しかし"脱脂"のみを行うと下記症例写真の如く、いわゆる"目の下のへこみや窪み"が発症する危険性があります。 この症例は中国にて数年前、いわゆる"脱脂"をされましたが、黒矢印の如く典型的な目の下のへこみや窪みが観察されます。その原因として、下眼窩、内側脂肪のみを抜去(脱脂)したためにこのような状態に陥ったと思われます。 名称未設定 このような目の下の窪みやへこみをもたらすと、治療を受けた患者様は治療前よりも症状が悪化したと認識し、この結果に対していわゆる"クレーム"となり、悩みを深めてしまう結果となります。 したがって目の下 くま(クマ)治療において、このような不良結果を確実に回避することが絶対必須条件となります。 当クリニックではこの患者様の修正を行いました。治療は再度目の裏側から皮下組織に侵入し、前回の治療で発生した下眼窩内側皮下組織と皮膚の癒着を解離しました。次に外側の皮下組織剥離を行い、下眼瞼皮膚の最バランス化を図りました。その上で内側脂肪抜去部に少量の自己脂肪移植を行い、下眼瞼皮膚の平坦化を行いました。 こういった問題を起こさないための治療法は、脂肪除去量を最小限とし、その代わりに皮膚自体の挙上(リフトアップ)をもたらします。その結果、目の下の窪みやへこみなどの問題が確実に回避されます。その主な理由は"脱脂"のように脂肪を抜去せずに、むしろ脂肪を可能な限り残すため下眼瞼脂肪の取りすぎが発生しないからです。 この方法では下記症例の如く、これまで手術治療不可能と思われた目の下 くま(クマ)にも功を奏するようになりました。 経過:この症例は20代後半のいわゆる目の下 くま(クマ)症例です。眼周囲にアレルギー性皮膚炎を併発しているため、色素沈着が認められます。皮膚科にてアレルギー性皮膚炎が目の下 くま(クマ)の原因と診断され、治療を受けましたが、目の下 くま(クマ)は改善しませんでした。皮膚科治療以外にもエステ、サプリメント服用、マッサージ等を試みましたが、やはり症状は一向に改善しなかったようです。当クリニックがこういった眼周囲治療を専門にしていることを知り、来院しました。 <治療前> IMG_8666IMG_8669 考察:この症例の場合、遺伝的に継承した皮下組織の構造上不具合により、その上にある皮膚が間延びしているため、アレルギー性皮膚炎による色素沈着が強調されています。アレルギー性皮膚炎による色素沈着を一気に解消することは現実的に困難なことが多いようです。こういった問題を解決するにはアレルギー体質自体を改善するという、長期間にわたる地道な努力が必要となります。 しかしアレルギー体質が改善され色素沈着が減少したとしても、下眼瞼構造に不具合がある場合、依然目の下 くま(クマ)は効果的に改善されません。したがってアレルギー性皮膚炎による色素沈着がある場合でも、治療は下眼瞼形成術を第一選択肢とすべきです。 下の治療後写真を観察すると、治療前に間延びしていた皮膚が治療後は収縮し、目の下の くま(クマ)が大幅に減少したことがわかります。 この治療(経結膜的下眼瞼形成術)のポイントはいわゆる"脱脂"を最小限にし、その代わり皮膚と皮下組織の剥離を十分に行い、間延びした皮膚を挙上させることです。そうすることで"脱脂"による目の下のへこみや窪みなどの危険性(リスク)をほぼ確実に回避することが出来ます。 <治療後> IMG_9153IMG_9158 では従来までのいわゆる"脱脂"治療と当クリニックで行う経結膜的下眼瞼形成術の違いを図解します。 "脱脂"は下図の黒矢印の如く縦に脂肪を引き抜くイメージで治療します。その際、仮に内側の眼窩脂肪を取りすぎたとすると、下図赤ラインのように皮膚にへこみや窪みが発生する可能性があります。

脱脂

それに比較して当クリニックで行う経結膜的下眼瞼形成術は下図矢印の如く横方向に脂肪を削りながら、皮膚の平坦化を確保しながら、皮膚挙上を図ります。したがって皮膚は赤ラインの如く直線的でへこみや窪みが出る可能性はほとんどありません。

下眼瞼形成術



目の下のたるみ治療

目の下のくま治療