2022年9月21日
貨幣価値の減少
新型コロナパンデミックから既に3年目を迎えましたが、米国などはマスク着用も撤廃されパンデミック以前の生活に戻る兆しが見え始め、観光業がGDPの少なからぬ比重を占める東南アジア(インドネシア・フィリピン)諸国も、隔離期間無しで再び観光客を迎え入れ始めたようです。
ただ残念なことに、本パンデミック勃発から半年程度で一気にこれを収束させ、いち早くパンデミック克服・勝利宣言を出した中国(上海)は今頃になって新規感染者が爆増し、現在上海は住人(3,000万人)たちが一歩も外出できない完全隔離生活を強いられているように、今後このパンデミックがどうなるのかは依然不明です(O_O)
ただこんな現状でも我々が生きる限り経済活動は継続してゆくし、当クリニックなども本パンデミックの悪影響を最小限にしながら営業していますが、さすがに我が国も今春からパンデミック以前の状態に戻れる兆しが見え始めたようです(^_^)
それと最近の大きな出来事といえば、ロシア・ウクライナ侵攻とその後に発生した円安為替相場ですが、特に為替相場はこの20年間ずっと円高基調だったのに最近急激に円安が進み、ついこないだまで1ドル=113円程度だった為替が、もうすぐ20年以上ぶりに130円を突破する勢いです。
円安に振れると日本製品が安くなり、輸出には有利なので歓迎すべきとの見方もありますが、逆に製品・原材料が高くなるので輸入には不利で、このまま円安を看過すると日本経済に悪影響(打撃)を与えるとの予想もあるようです。。
前置きが長くなったので、そろそろ今回の本題(貨幣価値の減少)に入りますが、現在の如く物価が高くなる経済状況を”インフレ”と呼び、例えば50円で買えたアイスキャンディーがインフレで2倍(100円)に値上がりすれば当然貨幣価値は半分になる、つまり、貯蓄財産の価値があっという間に半減する恐れもある重大局面とも言えます(゜◇゜)ガーン
実際に世界では最近の政情不安が原因となり急激なインフレが進んでおり、その煽りは発展途上国を真っ先に直撃し、そういった国々では物資・食量の奪い合いで暴動が発生し、それが新たなる戦争の引き金になるとの懸念が生じています。。
幸運にも経済的に恵まれた日本は、このインフレの煽りを最も受けにくい国の一つですが、にも関わらずこのところガソリン(燃料)価格が高騰しているし、それ以外にも電気・ガス料金をはじめ小麦・油など食料品(生活必需品)の値段もジワジワと上昇しているので、この世界的インフレがいかに甚大であるかが分かります。。
なので、”モノ”の値段が上昇する状態(インフレ)で貨幣価値が減少するのはお分かり頂けたと思いますがさらにもう一つ、貨幣価値が減少するのはお金で得られるサービス(機会)自体の減少であり、これを簡単に言うと”お金は使い道が無ければ単なる紙きれ”となってしまうのです。
例えば毎年ゴールデンウィーク中、お金に余裕のある人たちがこぞって出かけていたハワイ旅行なども、パンデミックの悪影響でいまだに不渡航・勧告されているし、たとえ海外渡航したくても機便数が限定されているので、通常の航空運賃の2倍近く値上がりしていたりと、とても楽しく出かけられる状態ではありません(>_<)
つまり、長期休暇中に毎年海外旅行へ出かけていた人たちも、現在のような行動(旅行)自体が制限される状況下ではどんなにお金があっても使うチャンスがないので、所謂”宝の持ち腐れ”となってしまい、当分この状態が続くはずです。。
インフレ、そして行動(お金を使う)機会の減少と、つい最近まで我々が予想だにしなかった劇的変化が突如訪れ途方に暮れてしまいますが、これをポジティブ(前向き)に考えると資本主義社会で陥りがちな拝金(お金最優先)主義から、お金以上に大切なものがあるのに気付く絶好の機会が訪れたとも言えるのではないでしょうか?!