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美容外科ブログ

2022年9月21日
新世代

この8年間、アンチエイジング医療を主体に医療を展開していたので、治療対象となるお客様のほとんどは中高年層女性だった。そのため長期間、若い世代の人たちと接触する機会がほとんどなかった。

僕の専門はあくまで美容外科的治療だが、一日数件の手術以外、治療時間やクリニック・スペースに余裕があるので、それを有効活用しようと、最近脱毛キャンペーンを打ち出した。すると顔の脱毛等に20代前半~30代前半の若者たちがやってくるようになった。

特に若年男性のひげなと顔の脱毛に興味を示す若年男性の美意識は大変高く、ファッションセンスから髪型まで、僕が彼らと同じ時とは大幅に異なり、とても洗練されていて驚かされる。僕が生まれた昭和40年代は日本が高度経済成長気にあり、生活必需品を始め、テレビやビデオなどのいわゆる贅沢品が不足していて、ファッションまで気を遣う余裕がなかったのだ。

ところが昭和50年代中半、そして平成生まれの彼ら、いわゆる”ゆとり世代”は、すでに我が国が物質的に豊かな時代に生まれたので、自分自身のクオリティ(質)を上げるファッション等に気を遣う余裕が生じた。そのため彼らは経済的により豊かになるより、自分自身の個性を磨いたり内面的充足に価値を見出したのだろう。

その証拠に、先日久しぶりに渋谷の街に出かける機会があったが、ここは典型的な新世代中心の街だった。街行く人達は個性的に自己主張し、いたるところにカフェやアクセサリーショップが軒を連ねていて、どのお店も魅力的だった。そして僕自身、何をするわけでもないにこの街にいるだけで新しい時代の息吹、そして幸せを感じた。

これはあくまで僕の直感だが、時代をリードする我が国が今後経済発展のみを目指すべきではもはやないと思っている。そして経済発展は、中国・インド・ベトナム・ブラジルなどの新興国に任せ、我が国は新世代が中心となって物質的なものに捕らわれない、文化・芸術などより高次元の価値観を創出すべきだろう。

僕は当クリニック運営に関しても売り上げ優先の診療、つまり売り上げアップなどには全く興味がなくなり、売り上げに関しては現状維持のみを心がけるようになった。そうすると興味深いことに、お客様一人一人とより親密に向き合い良質な医療が出来るようになっったので、結果的にクリニック営業がさらに安定した。

新しい時代を支える若者たちは、この多難な時代を乗り越える資質を備えてこの世に生を受けていると僕は信じている。そしてこの新世代の人達が、すでに世の中心になりつつあることを、我々旧世代は謙虚に認めるべきだろう。そして我が国が、洗練された価値観と共に新しい時代をリードしてゆくのを見守れたらと思う。そんなことをクリニックを訪れる若者たちの診察をしながら感じた。

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