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美容外科ブログ

2022年9月21日
ソウルの学会に参加して思ったこと

毎春ソウルで行われる韓国美容外科学会に参加した。大震災の影響で日本から参加する医師は僕を含めて二名たらずだった。僕自身も参加は控えようと思ったが、親しくしている韓国美容外科仲間からの強い勧誘で参加することにした。僕は”目の下のクマ(くま)・たるみ”に対して行う下眼瞼形成術のポイントについて述べたが、立ち見が出るほど盛況な学会場での発表に緊張を隠せなかった。

学会参加の本当の意味は隣国の医師たちと交流を深めること。今回は遠くカザフスタンから若手医師が参加していた。カザフスタンは中国北西内陸部に位置し、かつてはソビエト連邦に所属していたが、現在は人口1500万人ほどの独立国である。カスピ海で得られるチョウザメのキャビア生産地としても有名である。

カザフスタンの美容外科は脂肪吸引や乳房縮小など、体部手術が一般的らしい。この医師はなにやら柄の長いスプーンのような器具を持ち歩いていたので、それが何かを尋ねると、下肢のすねにインプラントを挿入するための皮下剥離器具とのことだった。ロシア系白人たちはすねが細く見劣りがするらしく、すねを太く見せるためのシリコンインプラントを挿入する手術が頻繁に行われるらしい。日本でほとんど行われない下肢に対する美容治療だが、民族や国が異なると治療のニーズも大幅に変わる。

学会は1日のみですべての発表を終了し、夜には食事会が催された。ここからは学会二部とも言える医師たちの交流の場となる。学会では我が国で起きた大震災とその後の原発の話題が出た。ここソウルの電力源も原発が中心らしいが、地盤の安定しているこの土地にはほとんど地震がないらしい。したがって原発への地震対策は全くされておらず、万が一地震が来たとすると、この街も壊滅しかねないとのことだった。今回の大震災により、誰しもが甘く見ていた原発の危険性を再確認することとなった。

ソウル滞在は二泊三日と短期間だったが、僕が多大に影響を受けるのが食習慣の違いである。韓国では依然肉食中心の食習慣が強く、どこで何を食べようと、必ず牛肉や豚肉が次々に出てくる。だが肉食には飽和脂肪酸や、LDLと呼ばれる悪玉コレステロールが多く、これらの食材を過多に摂取すると、いわゆる”メタボリックシンドローム”に陥いりかねない。なんとかキムチやサラダを多く食べて中和するよう心がけているが、楽しい宴会の席で肉食を完全拒否するわけにもゆかず、当惑してしまう。実際こういった食材を普段から積極的に食べている韓国人医師たちは肥満に陥っている場合が少なくない。

最後にまとめになるが、他国に比べて安全と過信していた我が国だが、今回の大震災を通じて原発放射能汚染のように、我々の命を脅かす危険が常に存在していることを知ることになった。これまでのように中国人や韓国人たちとの関係を敬遠してい場合ではない。今こそ 隣国の人々と助け合ういながら明るい将来を目指す時が来ていると思った。

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