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美容外科ブログ

2022年9月21日
専門医の心構え

東京は発達した交通網を基盤とした政治、経済活動の中心として、人の集まりやすい場所なので、クリニックを構える上で格好の場所である。 北海道出身の僕にとって、東京はいつまでたってもアゥエーであり続けるだろうが、こういったビジネスメリットを優先すると、東京で仕事をせざるを得ない。

その最大メリットは経験する症例の多さにある。美容医療は身体の多岐にわたって行われるが、僕のクリニックでは抗加齢(アンチエイジング)外科的顔面治療を中心に行い、お客様の9割程度がこの治療を求めて来院する。

どのような仕事でも専門的に行うとすれば東京以上の場所はないであろう。もし北海道で同様のビジネスをしても、患者さんを集めることは不可能であり、全身くまなく治療を行う診療スタイルに変えざるを得ないだろう。

顔、つまり常に露出した部分の治療を行うと、原則的にすべての症例を成功に導かねばならず、高度な専門性が要求される。もし専門性の高い外科医を志すならば、その医師に手術センスと上を目指すモチベーションが伴い、毎日3〜4件の症例を経験出来る環境にいる必要がある。

だが専門的外科治療を行うと、美容外科治療を受けて必ずしも満足のゆかない、いわゆる”やり直し症例”を手がけることが増える。新規治療は比較的簡単だが、修正治療となると技術的に困難となる場合が少なくない。また、最後に手を下した医師がそれまで上手く行かなかった治療の全責任を負うことになるので、よほど自信がないと、修正治療を引き受ける気にはならないだろう。

だが、治療に不具合が生じた患者さんの悩みは予想以上に深く、場合によってはノイローゼに陥ることもあり、そういった悩みを少しでも良い方に解決するのが、その道の専門家の重大任務となる。不具合の生じている患者さんにとって、新たな治療を決意にするには相当の覚悟が必要であり、治療を行う医師と患者間での揺るぎない信頼関係を築くことが大前提となる。

もし、商売優先主義で治療を行うとすれば、こういったハイリスク治療を引き受けたくはない。だが、そうなると悩みを抱えた患者さんの行き場所がなくなり、医師として社会的責務を回避していることになりかねない。専門医のみならず医師の心構えの話でもあるが、医療はあくまで社会、患者さんへの貢献、奉仕を優先とし、多少の自己犠牲を伴う仕事なのだと思うようになった。

僕の苦い過去の経験だが、自己利益優先に治療を行っていると、その態度は患者さんにも伝わり、クリニックの評判は確実に下がる。だが逆に、患者さん優先、自己利益を後回しにしながら診療するとクリニックの評判は上がり、結果的にクリニックも安定することに気がついた。

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