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美容外科ブログ

2022年9月20日
名医の条件-1(“ゴットハンド”)

外科医は職人 最近テレビ等で名医特集が人気らしい。名医とは難病を次々と治す優れた能力を有する医師たちである。その中で名外科医たちが行うのは卓越した技を用いた手術となるが、その技を持った外科医を巷では“ゴットハンド(神の手)”と呼ぶらしい。先日出席した韓国美容外科学会で、韓国を代表する若手医師に僕は次のように尋ねた。「韓国で一番優秀な医学部はソウル大学と聞いています。ソウル大学医学部は競争率が高く、入学するのがとても難しいと聞いています。ソウル大学医学部卒業の優秀な先生たちは、この学会に出席していますか?」その韓国人医師は次のように答えた。「いいえ。ソウル大学医学部卒の医師たちはほとんど出席しておりません。彼らは外科医になるには頭が良すぎますから。」と笑いながら答えた。この韓国人医師は半分冗談のつもりで答えたのだろう。しかし、この韓国人医師のコメントは必ずしも冗談と言い切れない。僕がこれまで見てきた名外科医全てが頭脳明晰ではなかった。頭が良すぎる考え過ぎる癖がついていたとすると、手術を円滑に行うことができないことがある。また、常に頭を使う習慣のある、いわゆる“頭の良い人”は意外にも手先があまり器用でなかったりする。むしろ物造り職人のように、頭より手先を常に使って、同じ事を繰り返すことの出来る人のほうが、手先が器用であることが多い。外科医が良い手術を行うには職人同様、“技術やカン”を体得していなければならない。この“技術やカン”医学書には書いていないし、たとえ医学書に載っていたとしても読んだから習得出来るような代物でもない。ではどのようにして手術の“技術やカン”を身につけることが出来るのだろうか?それは物作り職人のように、日頃から手先を用いて繰り返し行う操作から身につける以外に方法はない。手術を上手にこなす外科医も、まさに物作りの職人と同様な能力が必要とされるのだ。 “ゴットハンド”に必要な条件 では名外科医、つまり“ゴットハンド”となるにはどのような条件が必要なのだろうか?“ゴッドハンド”は次のような条件を兼ね備えた外科医が、日頃から鍛錬と努力を繰り返した結果、生まれるのだと思う。 1. 手先が器用である。 手術を上手にこなすには手先が器用でなければいけない。これは持って生まれた才能なので、外科医になるには向き不向きがある。例えば、静止時に手が震えるようであれば、外科医になるのは不可能である。 2. 物事を単純明快に行う能力がある。 手術は簡単で素早く終わる方が、複雑で時間のかかる場合より明らかに結果が良い。人によっては物事を考えすぎて、なかなか先に進まないことがある。 3. 良いオーラを持っている。 手術を受ける側に“この先生であれば信頼できる。”と思わせる自信や雰囲気があることが大切となる。手術は自分の体を任せるので、全信頼をゆだねられなければ、患者さんは不安で手術に踏み切ることができない。 4. 楽観的である。 手術はたとえ完璧に行ったとしても、結果は個人個人で異なる。どんなに良い手術を行っても、患者さんのとらえ方によって必ずしも満足するとは限らない。たとえそのような状況が訪れても、前向きに考えて次々に手術をこなしていくには楽観的な性格のほうがよい。 5. 強運である。 例えば、二人の外科医がいて同様な手術を行ったとする。一方の外科医は問題なく手術を終えたのに、もう一方の外科医が行った手術がこれといった理由がないにもかかわらず、うまくいかないことがある。その理由はその医師の持っている運気の違いとしか言いようがない。 6. 度胸と集中力がある。 手術を成功に導くには邪念を入れず、心を静寂にして集中できる能力が必須である。また、手術中は思いがけないことが起こることもあるが、どんな状況でも動揺せずに、治療を継続する度胸が必要である。 7. 健康維持のための自己管理能力がある。 外科医は百戦錬磨の手術次々にこなしてゆくために、並外れた体力と精神力が不可欠である。心身ともに万全であるためには日頃の健康管理を怠らないことが肝心である。 上記の“ゴッドハンド”のための条件を振り返ると、これらの条件はプロスポーツ選手に必要な条件とほぼ同様と言って良い。スポーツを行うとき、頭を使っている暇はなく、ほとんど反射神経レベルで行う。手術も同様、頭を使うより反射神経レベルで行うほうがうまくいく。つまり、有能な外科医になるためには、あまり頭が良すぎず、考えるよりもまず行動できるほうが向いている。そういった意味で学生時代、スポーツばかりやっていて学業不振だった僕が、外科医を目指したのは正解だったような気がする。

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