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美容外科ブログ

2022年9月19日
アンチエイジング診療の外ー9(ポルトガル紀行)

ポルトガルの歴史 2003年の9月中旬、ポルトガル・リズボンにあるDr.Rebeloの美容外科クリニックにて10日間の手術研修を行った。ポルトガルで日本人に馴染み深いものとしては、フランシスコ・ザビエルの鉄砲伝来やカステラ・テンプラの由来といった歴史的なものが主である。ヨーロッパでの歴史も15世紀における海洋王国として世界に名を馳せたものの、現在ではさほど目覚しい経済発展もなく、ヨーロッパでは貧国として位置付けられている。 しかし、経済先進国と言われるわが国もバブルがはじけ、さらに米国のITバブルが崩壊し、先進国主体の20世紀型大量消費・大量生産に基づくニューエコノミーと呼ばれる経済発展が幻想であることに気が付かされた。このような形の経済発展は地球環境に有害であり、金銭欲・物欲に惑わされた人間のマネーゲームが長続きしなかったことは地球規模でみると必然であったのかもしれない。 ラテン人の国民性は”人生に必要なものはお酒、サッカー、そしてサンバ”といわれるが、ポルトガルはかって、ブラジルを植民地としていたせいもあり、ヨーロッパの中でもひときわラテン的である。高度先進国が経済的成長を求め続けていた時代も、これらの国々はマイペースで独自の文化を守り続けていたと思われる。 ポルトガルの美容医療 ポルトガルの美容医療は、日本における症例とほぼ同様で、脂肪吸引、フェイスリフト、上下眼瞼下垂除去、乳房縮小などが主である。しかし、美容医療に対するコンセプトは異なっており、いかに低侵襲でダウン・タイム(治療から回復までの時間)が短く、患者に対する治療的・社会的負担を軽減することが重要視されている。すべての手術に関して日帰り手術を実践し、そのために何が必要かを熟考した上で手術方法を決めている。フェイスリフト手術では局所麻酔による縮小手術を部分的・段階的に行うことでダウン・タイムのない手術が主流となっている。 目の下のたるみ治療では余分な皮膚の除去を行わず、眼球中央部で下眼瞼下に5mm程度の横切開を加え、そこから脂肪のみを取り除くことでたるみを改善するというものである。Dr.Rebeloの意見では皮膚除去を行わなくても、余分な皮膚は収縮するとのことで良好な結果を得ているそうだ。この治療で懸念される下眼瞼の外反(いわゆるあかんべー)が起こらないので、リスクのない手術として注目するに値する。当院でも結膜面からの治療で良好な結果を得ている。

銀座CUVOクリニックの目の下のたるみ治療

おわりに 日本には比較的馴染みの少ないポルトガルではあるが、物価は安く風光明媚で、大変居心地のよい国である印象を得た。米国主流の医学とは一味違った観点で行われている美容医学に触れることが出来、大変興味深かった。それも経済大国には迎合しない、ポルトガル人の国民性に根付いた独自な文化によるのだろう。戦後、米国に追従して形成された日本文化も、今世紀はヨーロッパやアジア近隣諸国とより国際交流を深めることによって、独創性のあるものにしてゆく必要性を感じた。

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