GINZA CUVO

2011年3月アーカイブ

[caption id="attachment_415" align="alignright" width="300" caption="911 ground zeroにて"]911 ground zeroにて[/caption] 今週火曜日頃だったろうか、僕は朝方自宅のマンションで軽い揺れを感じ目を冷ました。久しぶりの地震だと思い、クリニックのスタッフに尋ねたが、この地震に気がついている者はいなかった。数日前のこの軽い揺れは、先週金曜日、午後に発生したかつて経験したことのない揺れの前触れだった。

70年前に大震災に見舞われた関東地方だが、僕が今から10年前、東京で仕事をすると決めた時、友人から”関東、東海地方には大地震が起こる可能性があるから注意した方がいいよ”と助言された。それ以来、地震が起こるたびに東京の生活に一抹の不安を感じていたが、そんなことはないと自分に言い聞かせながらこれまで過ごしてきた。

約7年程前、新宿京王プラザホテル最上階でレクチャーを聴いている最中、中越大地震が発生した。その余波でエレベータが止まるほどの揺れを感じ、とても恐い思いをしたこともあった。だが東京に大地震が起こる可能性があるからと言って、それを理由に東京を去る訳にはゆかない。不安に思うことは現実化するが、楽観的であれば不測の事態など起こるはずがない。そう思うことで、僕は東京で仕事をまっとうする決意をした。

だがついにその不安が現実となってしまった。幸運なことに東京自体は直下型地震を免れたが、東北地方の太平洋岸は未曾有の災害に巻き込まれ、想像を絶する数の貴重な命が奪われてしまった。この地震は関東大震災よりマグニチュードが大きく、有史以来世界でも希に見る大地震らしい。

僕はこの地震が発生した時、手術の真っ最中だった。横揺れから始まったこの地震は、神戸を襲った破壊的な縦揺れで始まる直下型地震とは異なったが、その揺れ方は尋常ではなく、手術室の酸素ボンベが倒れ、酸素が勢いよく漏れ出すほどだった。なんとか手術は無事終了したが、手術を受けていた患者さんも気が気ではなかったであろう。

地震後から発生した交通網の寸断、食料、ガソリンなどの物資の不足、電力などのインフラが滞り、大都会に住む我々の生活がいかに自然災害に弱いかを思い知らされ始めた。現在最も懸念すべき事は、福島原発で発生した核融解危機だろう。これにより、スリーマイル島、チェリノブィリ原発で起きた放射能汚染の可能性が生じている。

物事には因果関係があり、何かが起こるにはその原因があるらしい。今回発生したこの未曾有の大惨事の原因は一体何だったのだろうか。それは地球規模で大きな変革が起き始めていることなのかもしれない。科学技術の発展とともに、我々は自然を含めこの世界のすべてを支配したように錯覚している。

だが我々の力では到底制御することの出来ない、とてつもない自然の力が存在を今回のような大震災によって我々は思い知らされた。これを契機に我々は、お金や物質中心の生活から目を冷まし、自然に対する畏敬と感謝の気持ちを持ちながら、今一度謙虚に生きるよう努めるべきである。

P1000769開業当初からクリニックにお越し頂いてるお客様がいる。当時20歳そこそこだった彼女は開業前に勤務していたクリニックにプチ整形をしにきた。銀座の高級クラブで働く彼女は、すでにベテランの域に達したトップクラスのホステスなので、彼女についている顧客も一流の方々ばかりらしい。

クリニックに閉じこもりながら仕事をする僕などは、彼女のようなお客さんから世間の貴重な情報を入手できるまたとない機会になる。彼女のお客様についての話でふと耳にとまったのが、「お医者さんたちもたくさん来ますが、他のお客さんと比べて太っている方々が多いんです。お医者さんは裕福なので、多分美味しいものを食べているのでしょうね。」というコメントだった。

若い頃と同じ食べ方をしていれば、代謝が落ち始める30代中半から太り始めるのは日を見るより明らで、太りたくなければ意識的に食べ方を変えなければならい。彼女のお店に来る一流の人たちはそういった自分への配慮をしているので、中高年層になってもそれほど太らない。だが医者たちが一般のお客さんたちより太っている事実は、医師の美意識がそれほど高くないことを物語っている。

つい最近まで医師の仕事は特別視され、神仏と同等の聖職とされていた。それは人々が命に直接関与する病気、絶えられない痛みを治す医師の仕事に強く感謝するからであろう。したがって我々は、医療のプロとして誇りをもって仕事をすることは好ましい。そして、その報酬として社会的優位な立場や経済力を獲得する。だがその優位な立場にあぐらをかいて傲慢になるのだけは慎まなければならない。

医療技術は日進月歩で進化する。だが医療技術革新のみが一人歩きをし、それを実践する医師たちの意識も進歩しなければ本当の先端医療、医療の進化とは言えないのではなかろうか。IT革命後、患者さんは医療に関しても多くの情報を有するようになった。 特に命と直接関わらない、緊急生を要しない、あくまで生活質の向上(QOL)を目指した美容医療は、最も先端的な医療の一つである。

他科医療も 次第に美容医療のサービス面を重視した医療形態に変化してゆく。その際、必ず到来する現実は、”医者が患者を選ぶのではなく、患者さんが医者を選ぶ”医療である。このキーワードを肝に銘じながら、我々医師たちも切磋琢磨に向上してゆく努力をするべきである。

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