GINZA CUVO

2011年2月アーカイブ

通山

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110131_1259~0002スキートレーニングのため、冬期は隔週で実家のある札幌に帰郷している。土曜日午後六時に診療を終え、その足で羽田空港に向かい、午後8時半発札幌行最終便に乗ると、札幌の実家には午後11時頃到着する。翌日昼頃、高速で40分ほど走ると標高1023メール、かつて札幌オリンピックスキー会場になった手稲山にたどり着く。スキー人口が減少し、スキー場は常に空いていること、また高速リフトが設置されているので、2時間ほどノンストップでスキーをすれば、それ以外のことは何もできないほど体力が消耗する。

スキーやスノーボードは若者のスポーツだから、 40歳過ぎの僕が今さら何故スキーなのかと思うかも知れないが、実はスキーにはアンチエイジングの要素が強く盛り込まれている。僕は大学生の頃、スキー冒険家、三浦雄一郎のスキー学校でスキーインストラクターのアルバイトをしていた。その頃印象的だったのは三浦雄一郎のお父さんが85歳過ぎで普通にスキーをしていたことだった。

スキーは常に体のバランス維持のため脳刺激が活発に行われる。脳は思考のためだけにあるのではない。運動機能を司るためにも脳は同様に大切で、運動から得られる脳刺激は、ぼけなどの脳の老化予防に大変有効なのだ。またスキーはスリルが伴うため、アドレナリン分泌が盛んに行われる。つまり脳内ホルモン分泌が潤滑に行われることで脳活性化が起こり、ぼけ防止どころか若々しい認知力が維持される。

またスキーに用いる筋肉は脊柱起立筋、股関節筋群など、いわゆる”インナー(コア)マッスル”だ。この筋肉は体を支える重要な筋肉なので、これらの筋肉と背骨さえしっかりしていれば背骨が曲がったり、老人特有の足つきになったりすることはない。それは骨、筋肉は継続的に使用している限り衰えないという特性による。

昔病理教室で病気で亡くなった方々の解剖も行っていた。高齢者と若年者を解剖学的に比較すると、皮膚の老化は年齢に準じていたが、驚いたことに皮膚下にある筋肉は高齢者と若年者でそれほど差がなかった。歌手の歌声も加齢によってもあまり変化しない。それは歌声が声帯筋肉によって発声され、この筋肉も常に使用している限り衰えることがないからだ。

スポーツの精神的効果もことのほか重要だ。スポーツによる肉体強化がなされると、心もそれに応じて元気になる。心が元気になると、仕事や人生そのものに対して前向きになるのは言うまでもない。またスキーのように自然と一体になるスポーツの精神的癒しの効果も見逃せない。僕はスキーを終えて東京に戻ってくると、普段仕事等で蓄積したストレから解放されていることに気がつく。

つまり僕は人生を前向きに生きるためにスポーツを活用しているのだ。この世に生を受けたからには”もう歳だから無理”、などと自分に線を引くのは止め、最期まで充実して生きる努力をすること。この姿勢は少子高齢が加速的に進む我が国において非常に大切だと思っている。

no開業7年目の今年、僕はこれまで生活した賃貸マンションを離れた。開業以来、自分の生活は後回しにして、便利な家具付き賃貸マンションに住んでいたが、クリニックが軌道に乗ったこの機会に引っ越しを決意したのだ。

今から10年以上前、初めて東京に来たとき、就職先の十仁病院は新橋にあった。通勤にあまり負担にならない距離で物件探しを始めた。なんとか物件は決まったものの、すぐに家具を調達しなければならなかった。その頃僕は道東の病院で、病院当直室、病院宿舎に泊まり込みに近い生活をしていたので、家具は勿論、外出する衣服すら持ち合わせていなかった。

東京での新しい勤務先の十仁病院院長から”家具を買うなら大塚家具店”と言われて、お台場の大塚家具店で必要な家具を調達した。家具は長期間使用するため、予想以上に値が張ることを初めて知った。ソファ、ダイニングテーブル、本箱、ベッド、そしてカーペットなど、数時間をかけて選択した。

だが当時の僕は家具のサイズ、家具同士のマッチングなどはまったく気にかけず、個々のアイテムの良し悪しのみでそれぞれを選択した。その結果どうなったかは火を見るよりも明らかで、マンションの中はミスマッチの家具のために落ち着かない空間に陥ってしまった。

モダンな米国調のソファに、シックなヨーロッパ調ダイニングテーブルや本箱が一緒にあれば、統一感がなくなるは当然だった。さらに部屋と家具サイズが合わなかった大問題で、生活空間も不便になってしまった。数年このような環境で暮らすうちに、居心地の悪さに我慢できず、これらの家具を全て撤去し、家具付きのサービスマンションに暮らすようになった。

過去の苦い経験から、こういった事はプロに任せるのが一番なので、クリニック内装をお願いしたデザイナーに横浜の家具屋さんを紹介してもらった。家具と言えばカッシーナなど、イタリア製高級家具をイメージするが、本当に大切なのは個々のアイテムではなく、全体の統一感なのだ。だからこういったブランド家具ではなく、僕の地元北海道、旭川の家具で揃えることにした。

旭川は北海道に育つ楢の木などの木工品の街として有名だ。だがブランドイメージがないため、全国的にはあまり有名ではない。そのショールームが横浜にあるため、先日見学したところ、この家具であれば心地よく生活できると直感した。

インテリアに関して僕は寸法の取り方やその配置もよく分からない。だがこの家具屋の社長さんの説明を聞いていると、彼がこの道のプロであるとすぐにわかった。彼は素人の僕に選択をさせるのではなく、彼が良いと判断したものを勧めた。僕はそれらの家具やデザインが好きかどうか判断するだけでよかったので、楽に家具選択を終了した。その過程は僕の診察スタイルと同様だった。その道のプロは素人である顧客に対して、プロとしての提案をし、それの良し悪しを顧客に判断してもらうからだ。

僕はこの社長さんのセンスが大変洗練されていると気がついたので、彼にインテリアコーディネートを任せた。受注生産となる家具は発注から納品まで1ヶ月程度かかるが、長く付き合う家具であれば、それくらいの待ち時間は当然だろう。またこれらの家具は手作りなので、職人さんお家具への思い入れが込められる。それは木のぬくもりと相成って暖かい波動を放ち続けるだろう。今度こそ落ち着いた空間を手に入れられると確信している。

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