経過
友人にいつも「目のくま、ひどいね。疲れているようだけど、大丈夫?」と言われることが多い。患者様本人の自覚として、いつもそれほど疲れているわけではないらしい。だが、患者様は自分が実際の年齢より老けて見えるのも、目の下のクマ(くま)のせいだと思い、当クリニックに来院されました。
治療方針
治療前の写真を見るとわかるように、矢印の位置に明らかなくまを認めます。よく観察すると、このくまの原因は色素沈着と目の下の過剰脂肪が原因です。色素沈着もその原因と判断する手がかりとして、この患者様の場合、目の上に色素沈着を認めます。目の上に色素沈着がある場合、目の下にも色素沈着があることがほとんどです。しかし、目の下のクマ(くま)となって見える大方の原因は目の下にある過剰脂肪です。従って、色素沈着の治療をする前に目の裏から過剰脂肪を摘出することが、より効果的な治療となります。この患者様の場合、目の周りの色素沈着が過剰脂肪により、くまっとなって現れている典型的なケースですので、目の裏かの過剰脂肪摘出治療を行いました。
治療後の評価
治療直後の写真を見てわかるように、目の下の過剰脂肪を摘出したことにより、色素沈着が強調されていたせいで認められた目の下のクマ(くま)は随分と目立たなくなりました。治療4日後の写真はファンデーションを塗っているために、正当な評価は出来ませんが、ご本人曰く、「化粧で十分隠せるほど、薄くなったので満足している。」とのことでした。
この患者様の場合、目の下のクマ(くま)の原因を分析すると、おおよそその8割が目の下の過剰脂肪、残りの2割が色素沈着です。そうであれば当然治療の選択順位として目の下の過剰脂肪除去が選ばれます。残りの2割の原因(色素沈着)は、目の下の過剰脂肪摘出後、ある程度時間が経ってからスキン・ケア治療を行うと良いでしょう。効果的なスキンケア治療として、ビタミンC内服、ビタミンCローション、ハイドロキノン外用、ケミカルピーリング、イオン導入(ビタミンC、プラセンタ)プラセンタ注射などが上げられます。これらの治療を根気よく続けると、色素沈着は少しずつ薄くなることが多いです。