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美容外科ブログ

2022年9月21日
韓国を訪れて-1

4月初旬、韓国美容外科学会での講演を頼まれ、ソウルに向かうことになった。土曜日の診療を終えた後、羽田発午後7時20分発ソウル行き便に搭乗するため、午後5時過ぎにクリニックを出発した。通常、国際線は2時間前に空港到着するべきだが、羽田空港発なので、一時間半前に到着すればよいと高を括った。だが、浜松町に到着しても誰も人がおらず、”おやっ”と思った。

事情を駅員さんに尋ねると、羽田空港国際線ターミナル新設工事に伴うモノレール線引き込み工事で、その日は全線不通とのこと。突如慌てたが、すかさず京浜急行線に乗り換え、駆け足で空港に向かった。空港に到着すると、すでに出発時刻1時間を切っていたが、搭乗にはなんとか間に合った。

韓国と日本には時差がないので、2時間余りのフライトを終え、午後9時過ぎに金浦空港に到着し、そのままタクシーでソウル新興地、江南に向かった。タクシーの運転手さんは僕が日本人とすぐに察して、流ちょうな日本語で活気よく話しかけてきた。一般的に言って、韓国人が日本人より元気があって気さくなのは、キムチなど健康的な食べ物と、もともと楽観的な韓国人の国民性なのだろうか。毎回、韓国を訪れるたびに感じる韓国人に対する僕の第一印象である。

土曜日の午後10時近くになっても、ソウル市街に向かうハンガン川沿いの3車線道路はいつものように大渋滞で、なかなか車が進まない。暇にまかせて周囲の車種を見ていると、ほとんど韓国製の車ばかりだ。ついこの間まで、車や電化製品で世界を席巻していた日本技術の時代は終焉を迎え、韓国や中国などの新興国製品がそれに変わろうとしている。東京の街並みにもかつてはソニーやパナソニックの広告が目白押しだったが、現在はサムソンやLGなど韓国企業の広告のほうをよく見かけるようになった。

第二次世界大戦後の高度経済成長時代から現在まで、日本は物作り経済を中心に世界の大量消費社会に支えられ、高度経済成長を遂げた。だが21世紀に入り、先進国の人々は、ほぼ欲しいものを手中にし、過去のような物質に対する執着が消えつつある。もちろん、発展途上国では未だに必要な生活必需品が多くあるだろうが、これらの供給はインド、中国、韓国などの新興国が日本に代わり行うようになった。

そんなことを考えながら、渋滞に巻き込まれた江南までのタクシー道中を過ごした。学会に参加する医師たちのと懇親会場にたどり着いたのは午後11時を過ぎていた。タクシーを降車すると、4月上旬といえどもソウルの夜は東京以上に冷え込んでいた。だが、宴会は土曜日夜に催されたせいか、大変盛況だった。

ご存じの通り、韓国美容外科の需要供給は日本のそれと比べものにならない。それは国民性の相違によると思われるが、韓国人はより、はっきりとした結果を求め、そのためには多少侵襲が大きくなろうともいとわない。それに比べて日本人は可能な限り低侵襲な治療、そして自然な結果を求める。僕が美容医療のためにしばしば韓国を訪れる理由は、大胆かつはっきりとした結果が得られる韓国の治療手技を知ることで、繊細かつ、自然な結果が得られる、より洗練された手技を体得することに他ならない。

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