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美容外科ブログ

2023年11月13日
終わりよければ全て良し

最近”ふ”とした拍子に格言的言い回しや、前回ブログの”思いあがり”などの言葉が頭に浮かび、その言葉にまつわる事例・想い出をブログで語っていますが、今回は”終わりよければすべて良し”をピックアップし、これは英語で”All is well that ends well”で、シェークスピアの戯曲タイトルとしても有名なようです。

実はこの諺(”終わりよければすべて良し”)は外科医療でも大変重要で、何故なら外科手術は結果が全て、極端な言い方をするとその手術過程がどうであれ、得られた結果が良好で患者さんが満足すればその手術は成功となるからです。

過去に僕が行った手術の中からその具体例を述べると、ある時クリニック・看護師さんの紹介で、その知人・中高年男性が鼻横に縦に隆起した長さ5cm・幅1.5cmのソーセージ型血管腫を除去して欲しいとクリニック受診し、早速僕はその手術を行ったことがあります。

”血管腫”とは血管増生した良性腫瘍ですが、血管から出来ているだけあって切除すると切除端から出血を伴い、しかも大変柔らかい組織で切除中ポロポロと崩れ止血困難なので、治療中それなりの出血を伴いました。。

僕の手術助手をした紹介者・看護師は、彼女の知人の顔面から血が流れる状況を観てとても心配そうでしたが、僕は血管腫の一部を除去する度に根気よく止血し、一般的な良性腫瘍切除術よりも時間と労力は要したものの、最終的に完全な腫瘍除去に成功し、看護師・患者さん共々安堵しましたが、もし治療中の出血の様子をその患者さんが見たら、きっと卒倒していたに違いありません(O_O)

なので、外科手術は”終わりよければすべて良し”の真ん中的事例に違いありませんが、この諺は人生そのものにも当てはまり、例えば青春時代(若い時)、”チヤホヤ”されてとても楽しい時を過ごしたとしても、その後年齢を重ねる長い人生が充実していなければ、決して幸せな人生とは言えません。

たとえばプロスポーツ選手の中には20~30代前半まで大活躍し脚光を浴びた後、パフォーマンス(成績)が落ちるにつれ人気・収入が減少し、40代に届かないうちに引退に追い込まれ、その後何をすべきか分からず路頭に迷い、うつ病を患うなどの事例がちょくちょくあるようですが、これらは”終わりよければすべて良し”といかなかったケースです。。

つまり若い時には、まるで”世界は自分中心に廻っている”と勘違いするほど幸せ絶頂になったとしても、それは単に若さの特権の後押しにて得られると認識すべきで、たとえ若さを失っても”幸せ・充実感”が得られる努力を普段からしておかねばならないし、そのことを若年層世代に教えるのが教育であり、また、親・先輩たちが若者に教えるべき最も重要なことの一つです。

僕の場合、不幸中の幸いにも若い頃から何一つ傑出した才能がなく、スキーなどスポーツでそれなりに頑張って全道(北海道選抜・スキー競技)大会まで出場したものの、当時20歳の僕がスキー・インストラクターとして教えていたスキー才能に溢れる1人の中学生にそのスキー大会で負ける屈辱(挫折)を味わい、”やっぱ僕はスポーツでなく、コツコツ勉強して医師になるしかない。。’”と早い段階で悟れたのは良かったと実感しています。

そして現在僕は50代後半となり、日々診療に明け暮れる毎日ですが、お客様たちと接すること、そして手術が楽しく、それがまるで趣味と感じるこの仕事があってこそ充実感・達成感を日々感じるので、出来るだけ長くこの仕事を継続しつつ、この世を去る時が来たら”終わりよければすべて良し!!”と言えたら良いなと真剣に思っています(笑)

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