2025年10月4日
日本にいると気付かないこの国の価値-5
前回まで本シリーズでは、かつて僕が訪れたインドネシアで発生した交通事故の模様を説明し、その後の顛末を知っていただくことでインドネシアが医療先進国・日本とは大違いであることを知って頂き、日本で暮らすことにいかに高い価値があるかを説明する予定でしたが、初回は最近のインドネシア事情にて紙面を使い果たし、その後も第3回目まで話が様々な方向に脱線し、ようやく前回(第4回目)実際に起こった交通事故の詳細を述べましたが、今回(第5回)は前回お約束した通り本来交通事故に付きものの、警察介入・運転免許証への影響・事故保険・保証等について、この国独自の事情をお知らせしようと思います。
そもそも日本で交通事故が発生し患者が動けない場合、真っ先に呼ぶのが救急車で、それと同時に即座に警察へも連絡しますが、今回インドネシアの田舎街で発生した交通事故の際は、誰も救急車を呼ばないことに大変驚きましたが、そもそもこの国の郊外には救急車が存在しないのでそれはまだ理解出来たものの、もっと驚いたのが警察にも一切連絡しなかったことで、どうやら交通事故の被害者・加害者ともに警察介入するとメリットがないらしくまずは当事者同士で、日本で言うところの”示談”にて交通事故解決するのがこの国の常であると、一緒にいた現地の知人から聴きました(O_O)
被害者女性が運ばれた病院には被害者親族のみならず、加害者の少年たちの両親・親族も駆けつけており、病院外で何やら相談しているようでしたが、まずは被害者の診断を得るのが先決なので、僕は救命室内で処置を受ける被害者の様子を見に行くと、さすが総合病院だけあって既に血管確保されており、そこから鎮静・鎮痛剤が注入されたと見えてすっかり落ち着いた様子を見て僕も一安心しましたが、この病院はこの地域で数少ない機関病院らしく救急外来は次々と運び込まれる患者さんで大変混み合っており、彼女の確定診断に必要なレントゲン・CTなどの画像検査はいまだ順番待ち状態で、確定診断が下されない限り何も進まない状況に僕までやきもきしていました。。
彼女の側には僕たちを海に連れて行ったドライバーの旦那さんが付き添っており、僕が車を手配して発生した本事故にそれなりの責任を感じたので、彼に幾ばくかのお見舞い金を渡すと大変喜んでくれましたが、画像検査は早くて数時間先とのことだったので、僕たちは被害者たちを残して病院を去り、翌日画像診断の結果を聞きましたが、それは僕の予想通り脊髄神経損傷は無く、椎体(背骨)骨折と腰部打撲だったので、今後1ヶ月程度安静にする必要があるものの、再び歩行可となるはずなので僕は”ホッ”とながら、その数日後帰国の途に着きました。
帰国後1ヶ月程経過してから、現地知人にその後の彼女の様子を尋ねると、自宅に戻った被害者(彼女)はいまだ床に伏していることが多いものの、順調に回復していると聞き安心しましたが、いっぽう加害者との話し合いは上手くいっておらず、知人曰く”加害者少年の両親が被害者に誠意を示さなかった。。”とのことで、この時点でようやく被害者は警察に事故報告したらしく、そうなると加害者は警察へも様々な支払いを強いられるらしく、たとえ加害者・被害者間で示談成立しても、示談金の一部が警察へと流れるらしいので、この国で交通事故に遭遇したら、出来るだけ警察を介さずに終わらせようと全力を尽くすと聴いて”なるほど”と思いました。。
最後のまとめになりますが、日本は救急車の即時対応は当然として、高度(救急)医療設備を全国くまなく整えていること、その後必要なお金・社会保障は自動車・交通事故保険が完備されているので、たとえ事故に遭遇しても事故後の社会的トラブルも最小限に食い止め、比較的スムーズに回復へ向かえる素晴らしいシステムが整っていること、更に今回のように海外での交通事故を目の当たりにしてこそ、普段日本で暮らしていると殆ど気付かないこのような日本の高い価値を知ったので、是非皆様にも知って頂きたく長期連載となりました(^0^;)
(アメーバブログ-ゴッドCUVOのblog、今シリーズのバックナンバーより抜粋)



(インドネシアとバイク。より抜粋)