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美容外科ブログ

2025年9月20日
日本にいると気付かないこの国の価値(患者さんの顛末)-4

本シリーズでは真っ先に、最近僕がインドネシアにマリンスポーツでたまに訪れるようになったこと、そこでの経験を通して日本で暮らすことがいかに恵まれているかを述べようとしていた矢先、第1回目ではインドネシアの説明で紙面を使い果たし、2回目でインドネシアに僕が通う主目的であるサーフィンについて述べている最中、今度は”人喰いサメ”に話題が逸れまたまた紙面を使い果たし、ようやく3回目の前回はサーフィン途中で知人に降りかかったアクシデント(交通事故)の話題に辿り着いたもののそれでも紙面が足りず、今回その4回目としてどのような交通事故で、その被害者をどのように対処したかについて記載します。

軽く前回のおさらいをすると、サーフィンを終えて運転手付きのレンタル小型バスに乗車した帰途中、サーフィン仲間たちがお腹が空いたと言い出したので、反対車線の道路脇にある食堂近くに車を停車させ、彼らがバスから降車し道路を横切ったところ、道路がカーブになっていたせいで前方が見えずらく、そこをモタモタ歩きながら皆についていった40代女性(運転手の奥さん)が子供(中学生)が2人乗りしたスクーターに跳ね飛ばされ、道路端に仰向けに倒れたまま、ウンともスンとも言わない状況に陥ったとお伝えしました(O_O)

そこで、気の利く友人サーファーガイドと僕で彼女のバイタル(生命兆候)サインを確認すると、直ぐに命には別状が無いと知り”ホッ”としましたが、日本だとその直後に救急車を呼ぶのはずですが、インドネシアの田舎町には救急車が無いと知らされ僕は愕然としたのもつかの間、医学常識では交通事故・被害者を安易に動かすべきでありませんが、救命隊がやってこないのであれば仲間たち5名ほどで、彼女が現在寝そべっているアスファルト路面から、とりえあずその脇にある芝生の柔らかい場所へと移動せざるを得ませんでした(O_O)

移動の際彼女は悲鳴を上げて痛がるので、何処が痛いか聞くと「背中奥。。」と返答したので、僕は背骨(椎弓)骨折を疑ったのですが、不幸中の幸いだったのは彼女は食べるの大好きでふくよかな体型をしていた為、つまり、スクーター衝突ショックを彼女の体脂肪がクッションとして吸収したため、交通事故で致命傷となる内臓破裂・骨盤損傷による出血性性ショックを免れたらしく、そう考えると体脂肪はカラダを衝撃から守るのに非常に重要であり、安易に脂肪吸引はすべきでないと改めて実感しましたが、このまま彼女を路上放置する訳にはゆかず、少し動かすだけで激痛で悲鳴を上げる彼女を我々が乗っていた小型バスになんとか皆で運び込み、街にある小さな診療所のような場所へ連れてゆきました。。

そこには看護師さん?もしくは研修医のようなスタッフがおり、被害者の診察(血圧測定と傷跡確認)をするのに彼女を仰向けから横向きに動かしたところ、事故のショックかそれとも激痛のせいか、午前中食べていたものを全部吐き出し辺りは騒然としましたが、僕はその場に居ながら”この診療所では何も出来そうもなく一体どうするのやら??”と思いつつ、僕も彼女の診察をしたところ、痛みの場所はスクーターが激突した腰背部と転倒時に間接的にぶつけた頭部の2箇所のみで、頭部には大きな腫れ・出血は無いのを確認し、今度は頭部と腰背部打撲の程度を知るべく神経学的診断を行うと、手足の動き・知覚・腱反射等は全て正常で、つまり彼女の怪我は脊髄損傷まで達しておらず、僕の診断は軽度頭部打撲及び腰背部打撲と脊椎骨骨折疑いでした。

結局その診療所では何も出来ず、そこから車で一時間弱の場所にある中規模市街地にある総合病院まで患者さんを車で連れて行き、その病院内の救急診療室に彼女を運びこんでようやく僕は安心しましたが、何故ならそこには外傷患者さんたちを専門的に診察する医師が常駐していたこと、それとレントゲン・CT撮影器機など体内深部の被害状況を詳細に知れる医療設備が完備していたからで、僕たちは彼女と小型バス運転手のご主人を救命室に置いて、とりあえずその病院を離後にした途端急に空腹を感じ始めました。

そこで近くにある食堂に駆け込み、地元料理のテンペ(豆腐フライ)や卵焼き等を夢中で口に運ぶとこの上なく美味しく、ある程度お腹が落ち着いたところで、そこにいた知人たちと「奥さんの命に別状が無かったし、手足も動くので元通り回復するだろうから良かった良かった。。」と話すと、それまで数時間続きた緊張感が一気にほぐれお互いの顔に笑みが戻り、あとは一刻も早く彼女が回復することを祈りましたが、次回はここまで一切介触れなかった警察の動向や、被害者と加害者の関係(弁済や保証)についてどのように収集をつけるのかを説明してこのシリーズを終えたいと思います。。

(インドネシアの海にて記念撮影するー左:Dr.CUVO 右:友人サーファー )

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