GINZA CUVO

2017年9月アーカイブ

つい最近まで美容外科では”美容整形”と呼ばれる、シリコン・プロテーゼを用いた隆鼻・隆顎手術、シリコン製バッグを用いた豊胸手術が主体に行われていた。僕が美容医療に飛び込んだのは2001年初頭だったが、それから早くも15年以上の歳月が過ぎ去り、その間日本の少子高齢化が急速に進んだせいか、美容医療ニーズも随分変化したように思える。

 

特にここ最近、老化現象を予防・解消する、いわゆる”アンチエイジング”美容外科がこの医療の主軸として台頭し始めた。この”アンチエイジング”美容外科の治療対象は、いわゆる”しみ”・”しわ”・”たるみ”であり、もはや以前頻繁に使われたシリコン・プロテーゼ、豊胸バッグの出番は激減している。

 

その代わりに台頭したのは、しみ”など色素性病変に有効なレーザー器機、しわ・たるみ改善に有効な集束超音波治療法(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound)と呼ばれる超音波、もしくはラジオ波(RF:Radio Frequency)エネルギーを使用した最先端機器である。

 

また最近の手術手技では、顔面をはじめ、その詳細な解剖を把握した上で、美容・形成外科で用いる切除・除去・剥離手技をより高いレベルで習得し、そういった手技を治療ニーズに合わせて適切に応用する能力が不可欠である。また時代が進歩するにつれ、ナチュラルでより質の高い治療結果を求められるので、この医療に従事する医師達はそのニーズに答えるべく切磋琢磨に技術向上を図らねばならない。

 

この15年間、僕は自らこの医療に携わりつつ客観的に観察してきたが、上述の如く医療器機等は日進月歩にもかかわらず、この医療に従事する医師達の価値観・考え方はさほど進歩していないと感じる。医療は情熱を持った医師達がその知識を高め、技術を研鑽しつつ、その成果を学会・勉強会でフィードバックしコンセンサス(総意)を得ることでのみ、進歩してゆくのである。

 

ところが、この医療に従事する医師達の中にはそういった努力を怠り、その代わりにこの医療を利益追求ビジネス(商売)として利用するケースが後を絶たない。またそれぞれの医師達は唯我独尊的な医療を独自に展開する以外になく、各施設によって治療手技・主張が大きく異なってしまう。

 

その結果、この医療を求める患者たちは何が正しいかわからず路頭に迷うという、起こるべきではないことが現実に横行している。この医療に携わる多くの医師達がそういった態度を改めない限りこの医療の進歩は閉ざされ、いつまでたっても社会的評価も上がらず、巡り巡って自分たちの首を絞めることになるだろう。

 

我々美容医療に従事する医師たちは、お金儲けを最優先とする代わりに、医師の本分である勉学・研究にもっともっと力を注ぐべきである。そういった努力を行う医師が増え、この医療における筋の通ったコンセンサスが構築されれば、この医療の社会的信用が高まるであろう。その結果、多くの人々が美容医療の恩恵を享受するようになり、良好な医療を提供した見返りとして医師達も潤うという、良循環が得られ皆が幸せになれるはずであろう。

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