GINZA CUVO

2017年11月アーカイブ

現代美容医療の「美」と「医」の役割

 
すなわち少子高齢化時代は,われわれ一人ひとりが自分の身は自分で支えざるを得ない厳しい時代の到来と捉えることも出来るだろう.
こういった社会状況の中で,“アンチエイジング”と呼ばれる「出来るだけ長い 間健康を維持し,明るく活発に生きるための新しい概念」が出現した.そして美容 外科医療のニーズも急速に“アンチエイジング”のための美容外科医療へと変貌を 遂げていったのである. 
たとえば美容外科領域では,高度経済成長時代に若者に大人気だった「二重埋没法」や「隆鼻術」等の手術は,少子高齢化とともに激減した.その代わりに台頭したのが中高年層がしみ,しわ,たるみを改善を目的とする「アンチエイジングのための美容外科医療」である.
 
一般的にわれわれは,40 歳半ば以降から中高年層と呼ばれる.医学的に見ても われわれの成長ホルモン量や筋肉量は 40 代を迎えると図 1.1,図 1.2 の如く,急激に減少する.骨格や筋肉量はトレーニングにより,その減少や老化を止めたり遅延させることが可能だが,トレーニング等によっても食い止めることが出来ない老化現象も同時に発生する.
 
その代表的な老化現象は,中高年層世代に必発する“老眼”と呼ばれる近い物を 見る際にぼやける視力低下減少である.老眼は眼球前部にある視力ピント調節に関 与する水晶体の弾力性低下と,水晶体に付く毛様体筋の老化による機能不全が原因 で,こういった老化現象はいまの医学では予防不可能である.したがって,この回 避不能な老眼の出現によりわれわれは老化を自覚する.
 
また中高年層世代には老眼とともに“眼窩周囲のたるみ症状”が併発しやすいが, この症状も老眼と同様回避不能である.老眼が自覚症状に留まるのに対して,こう いった眼周囲の外見的老化兆候は,周囲の人達にもはっきりと知られることとなる.
こういった老化兆候を発見した人達は,時として無神経に本人の目の前で指摘するようになる.こういった思わしくない経験を繰り返すうちに,回避不能な老化兆候はわれわれの心の奥底で多大なコンプレックスとして膨らんでいく.そしてこの
コンプレックスは,われわれに老化という厳しい現実を焼き付けていき,次第に中高年層世代は自信を喪失するとともに人生への希望を失い始める.
 
老眼は眼鏡や老眼治療手術が発展しているが,眼窩周囲を中心とする顔面の老化 現象に対する美容外科的治療も,そういった老化に対する多大なコンプレックスに 苛まれる人々への救いの手段として進歩している.そしてこういった老化現象を食 い止めるための医療が,抗加齢(アンチエイジング)外科とも呼ばれるようになった.
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