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2013年1月アーカイブ

いわゆる"脱脂法"から始まった目の下のクマ(くま)、たるみ治療法の進歩・発展について

1.いわゆる"脱脂法"から始まった目の下のたるみ治療

先述の如く、私のクリニックの開業2年前に十仁病院渋谷分院で開始した目の下のたるみ治療は開業直前までに数百症例を越え、技術的にもある程度安定したので、いよいよこの方法を前面に打ち出して開業することになりました。

しかし当時私が行っていた方法は、いわゆる"脱脂法"と呼ばれるものでした。"脱脂法"とは、目の下のたるみの主な原因である下眼窩脂肪を目の裏側(下眼瞼結膜面側)から除去するものです。この治療を積極的に行っている最中、私はクリニック・ホームページを同時に立ち上げ、下眼瞼治療に関する記載を短期間のうちに精力的に行いました。

現在のホームページの基盤は、その頃記載した"脱脂法"に関する内容からほぼ成立してるせいか、現在でも私の下眼瞼治療は"脱脂"のみを行っていると誤解しているお客様も少なくありません。しかし実際は、症例数を重ねるにつれ年々治療方針・技術は改善し、開業当初行っていた"脱脂法"から大きく改変され、進歩・発展しました。

当初私の行った下眼瞼治療が何故"脱脂法"のみだったのかをここでご説明いたします。私のクリニック開業以前、世間では下眼瞼治療には皮膚切開法が一般的だったことは前述の通りです。しかし実は、当時から皮膚切開をせずに目の裏側から治療する"脱脂法"は日本に存在し、その技術を持つ医師たちは各々の施設で密やかにこの治療を試みていたのです。

開業前、私が勤務していた十仁病院・新橋本院にもこの技術を持つ医師がいましたが、当時この方法("脱脂法")の適応は極めて限定されていました。その適応とは比較的若年層(30歳代前半以下)で、目の下の膨らみが顕著な症例のみでした。

つまり、40歳代以降の目の下のたるみ症例にはこの治療法の適応がなく、すべて皮膚切開法が行われていたのです。また、若年層(10歳代後半以降)の目の下のクマ(くま)は、"脱脂法"も皮膚切開法のいずれでも解決出来ずに手をこまねいていました。

次に"脱脂法"の適応が限定されていた理由をここで説明いたします。"脱脂法"とは目の下の膨らみやたるみの直接的原因である下眼窩脂肪のみを抜去する方法です。比較的若年層症例では皮膚に十分な弾力性があるので、脂肪抜去のみを行っても、皮膚弾力性が抜去された脂肪による影響を相殺するため、図-1で示されたように治療後に皮膚が凸凹したり、新たなしわが発生することはほぼありません。

図-1

しかし中高年層(40歳代以降)以降では、皮膚弾力性がやや低下しているのみでなく、長年存在した下眼窩脂肪によるしわが形成されているケースもあり、"脱脂"のみを行うと皮膚の不整像やしわがかえって目立つ可能性があるのです。(図−2)そのため中高年層以降では、その当時"脱脂法"適応はないとされてきたのです。

私も開業以前は、先輩医師たちから上記説明を聞いてなるほどと思い、40歳代以降の目の下のたるみ症例には皮膚切開法を勧めていました。しかし皮膚切開法を勧たお客様の大半は、"皮膚切開をするくらいだったら、今のままで結構。"と治療を拒否する方々が後を絶たず、何とか皮膚切開法に変わる良い方法がないものかと、常にジレンマに陥っていました。

目の下のたるみ治療について詳しくはこちら

目の下のくま治療について詳しくはこちら

はじめに


当クリニックは2005年3月に開業し、2013年2月現在まで営業を続けて参りました。この約8年間、私は主に顔面の抗加齢(アンチエイジング)外科治療を専門に行ってきました。その中でも特筆すべきは、目の下のクマ(くま)、たるみ治療の症例数が群を抜いて多く、この8年間に7,000症例近くをすでに手がけたことです。


実は私が開業する以前、多くの方々が目の下の悩みを抱えていたにもかかわらず、当時皮膚切開法以外にこの問題を解決する方法がなかったため、こういった人たちは治療に踏み切れず手をこまねいていたのです。


そのため私が開業し、皮膚切開を用いずに目の裏側から治療を行う方法を提唱したところ、こういったお客様たちが大挙して私のクリニックにこの治療を求めてやってきたのです。勿論私は、美容外科医として体幹部などそれ以外の部位の治療も行います。


しかし当時の社会的ニーズ(需要)は、私に皮膚切開を用いない目の下のクマ(くま)、たるみ治療を求めました。その結果、私一人で短期間に集中してこれだけ多くの症例をこなすことになったのです。すなわち、私がこの治療のプロを目指したというよりむしろ、当時の社会的ニーズが私をこの治療のプロとして育て上げたと言っても過言ではありません。


医療は時代とともに進歩します。私の治療技術も多くの症例数をこなすにつれ、バージョン・アップ(進歩)し続けました。それから8年もの歳月が経過し、私はついにこの治療が完成した、つまり最高レベルの技術(バージョン・コンプリート)に達したことを確信しました。


後ほど記載しますが、この8年間、この治療が進歩してゆく中いくばくかの紆余曲折、困難な時期もありましたが、結論から申し上げますと私が開業当初から行っていた初期方針自体、根本的に正しかったと今に至って安堵しております。


そもそもこの目の下のクマ(くま)、たるみ改善のための治療は、私が突拍子もなく始めたのではありません。この治療は今から80年以上前、ヨーロッパを中心に始まった治療です。その詳細は私のこのブログを参照ください。


そして私の治療に一番近いプロトタイプ(原型)は、フランス・パリで開業していたフルニエ医師が今から50年前開発した方法なのです。この医師の卓越した技術は海を越え、米国に渡りました。


私は開業前から下眼瞼症状に悩む方々に、皮膚切開に変わる治療法を模索しておりました。それは当時、目の下の悩みを抱えるほとんどのお客様たちが下眼瞼皮膚切開法を恐れ、治療を躊躇する姿を目の当たりにしたからです。


そこで私は海外(ヨーロッパ、米国、韓国)に渡り、一流の美容外科医の手術見学をしながら、さらにその方法を模索し続けました。そしてある日、韓国・ソウルで米国人医師が行ったライブ・サージェリー(実況手術)の第一助手に抜擢され、眼前でこのフルニエ医師の手術法を目の当たりにしたのです!


私は固唾をのみながらこの手術の助手を務め、心の中で"これぞ自分が探し求めていたもの!"と閃き、胸を躍らせたことを昨日のことのように覚えています。早速日本に戻った私は、この方法の導入を試みました。


私がこの技術を習得しかけていたある日、当時勤務していた十仁病院渋谷分院に、目の下のたるみ治療を希望する一人のお客様がやってきました。そのお客様は治療を受けた直後から、1週間ほど旅行に出かけ、その間に回復することを期待していたのです。


無難に治療をこなし、彼女が1週間後に戻ってくると、目の下のたるみが改善されその結果に満足していただきました。当時私と一緒に十仁病院渋谷分院勤務していた看護師は、この治療の回復過程や結果を見て、次のように私にコメントしたのです。


"久保先生、この方法は素晴らしいですね。この方法を熟達して世間に広めたら、多くの人々が救われると思いますよ。"と。私はこのコメントを聞いた後、この方法をしっかり勉強しながら自分のクリニックを開業し、多くの人たちの悩みを救えたらと現実的に考え始めたのです。


これまでおおざっぱに私が目の下のクマ(くま)、たるみ治療を専門的に行うに至った背景を述べました。次回から、私が開業に至るまでの経歴をさらに述べ、この治療法がどのように成熟していったか、そしてこの治療を受ける方々が、事前に知っておくべき事項を述べてゆきたいと思います。


目の下のたるみ治療概要

目の下のくま治療概要