2025年5月31日
第113回美容外科学会に参加して
毎年一度この時期に必ず開催される日本美容外科学会、今年はなんと113回目でそれだ聞くと113年もの歴史ある学会かと思われるでしょうが決してそうでなく、以前本学会は年2度開催されていたのでこれだけ多く回数を重ねた訳で、ここで美容外科学会の歴史を簡単に振り返ると、我が国の美容外科は僕もかつて在籍した十仁病院が昭和13年に開院したのが始まりで、当院初代院長が昭和41年に日本美容外科学会を創設し、それが現在まで継続している歴史ある会なのです。
そもそも医学会は、あくまでも若い医師たちが美容医療で行われる日進月歩の技術・知見を得たり、参加する多くの同業医師達とコミュニケーションを図るために開催され、僕のような既にキャリア折り返し地点をとっくの前に越えた熟練医師にとって学会参加の意味はもやは殆ど無く、僕に言わせると、年に一度自らがまだ現役であると消息を知らしめ、もしくは他院医師達の消息を知る為の、まるで年末に交わす年賀状のような役割で(^0^;)、今年も平日都内のホテルで行われた本学会へは診療合間に何度か顔を出すだけでした。。
ただ僕も美容外科学会に所属していること、そして本学会で取得した美容外科専門医を更新するには毎年一度本学会への参加義務があるので、むしろ専門医維持が学会参加の主目的となっているものの、一応、現状の美容医療がどのような状況にあるのか本学会に参加した僕の感想をこのブログで述べたいと思いますが、真っ先に感じたのが学会構成メンバーの世代交代で、本学会は上記の如くあくまで30~40代医師が主役であり、研修医まもない20代中半~後半の医師たちはほぼ見かけないのは当然として、残りの50代以降医師たちはどうかというと50代前半はまだ参加しているものの、僕のような50代後半になると一気に参加人数が減少、60代以降で参加するのは所謂”レジエンド”的な極々限られた医師たちに過ぎません(O_O)(O_O)
それもそのはず60代以降ともなると、診療を止める医師もチラホラ出現するし、もはや美容外科専門医を維持する価値も減じること、さらに新たなことを学ぶ能力・興味も失われるからで、そう考えると僕もそろそろ学会引退の時が近づいていますが、意外にも僕自身、さほど体力・気力の衰えは無くまだまだ現役でいける感じてはいるものの、若い人たちが主役の場所に往年医師たちが出向いて偉そうにするのは老害以外の何ものでもないので、あくまでも脇役に徹し、端から面白そうな講演等に耳を傾ける程度にしようと思います(^0^;)
最後に今年参加して驚いたのが、コロナ直後は美容外科学会ならではの”ギラギラ”・”派手”感がよぎっていた本学会、例えば高級車(フェラーリ)試乗車が学会場に展示され、営利主義が前面に出た嫌みな感じに思わず閉口したこともありましたが、今年はそういった派手さが一気に消失し、30代の新たに学会参加した医師たちも一様に真面目・控え目で、遂に本学会も普通の医学会に近づいたのは朗報でしたが、それもそのはずここ最近日本の医療全体が疲弊し始め、その悪影響は美容医療にも密かに忍び寄よっているようで、かつてのように豪華絢爛には振る舞えなくなったからでしょうが、残念ながら紙面が尽きたのでこれらの詳細はまた次回に述べたいと思います。。
