”目は口ほどに物を言う”ということわざがあります。人はアイコンタクトでコミュニケーションを行います。確かに、我々は人と話すとき、基本的に相手の目のあたりを見ていることが一般的です。例えば、相手が自分のことを信用しているのか、それとも疑っているのかなども、相手の目の表情をよく観察すると、わかることが多いのです。
このように、目は視覚という情報を得るための重要な器官であるとともに、情報発信器官としても大切な役割を担っています。さて、このような情報発信器官としての目ですが、その治療は大きく4つに分けることが出来ます。
1.”目の周りのたるみ”を解消する(目の周りのアンチエイジング治療)
美容医学的見地から、目の周囲はどのようながあるのでしょうか?
私は毎日目の周りの美容診療を中心に行っています。その経験から、目の周囲をよく観察すると、その人の年齢がわかります。目の周りがたるんでいると、どんなにお化粧をしてもその人の年齢が一目瞭然です。”目の周りのたるみ”を解消することで、その人の若さや生き生きとした表情を取り戻すことができるのです。
2.”目の下のくま”を解消する
”目の下のくま”は、早い方ですと10代後半から出現することがあります。目の下にくまが存在すると、他人から「疲れているの?」とか「よく寝ていないの?」などと言われることが少なくありません。本人は疲れてもいないし、睡眠時間も十分にとれているはずなのに、他人にそのようなマイナスイメージを与えることで、悩みが深くなるようです。
”目の下のくま”の原因は、目の下に影を落とす目の下の構造上の問題と、目の下の皮膚の色素沈着が原因です。目の下の構造上の問題があると、目の下に出来る影と色素沈着が重なり合って、写真のように”目の下のくま”が目立つのです。この構造上の問題を解消すると、治療後の写真のように”目の下のくま”は大幅に解消され、色素沈着もさほど目立たなくなります。

3.目を”ぱっちり”とさせる(開眼治療)
人によってやや目が小さいような印象を与え、目の開きが悪い方がおります。目が小さいといった印象を与える場合、”目頭、目尻切開”を行って、目の横幅を広げることがあります。目の開きが悪い場合は、”二重治療や眼瞼下垂改善の治療”を行って、目の縦幅を広げることがあります。
4.”つり目”を治す
東洋人の場合、目の下の構造上目尻が上がった”つり目”が多く見受けられます。私は多数の”目の下のくま治療”の経験から、”つり目”の主原因は”目の下のくま”を目立たせているのと同様な構造上の問題であることに気がつきました。”目の下のくま治療”を行った下の治療前後の写真を観察すると、”目の下のくま”と同時に、”つり目”も緩和されることがわかります。

左の図をご覧ください。
アイデザイン治療の部位は目の内側から時計回りに
@目頭、A下瞼、B目尻、C上瞼の4部分に分かれます。
当クリニックでは@目頭切開治療が全体数の5%、A目の下のくま、たるみ治療が80%、B目尻治療は1%以下、C上瞼の二重やたるみ治療が15%程度となっております。
目の下のくま、たるみ治療が圧倒的に多いのには、下記のような理由によります。
1.目の下のくま治療
目の下のくまは、一般的に目の下の皮膚の色素沈着が主な原因とされてきました。しかし、
実際は意外にも皮膚自体の色素沈着が原因の目の下のくまは少ないのです。
目の下のくまの原因の多くは、目の下の形(構造上)の問題です。この形(構造上)の問題が存在すると、目の下の皮膚が黒っぽく見え、目の下に黒い影が出来て、それが目の下のくまとして認識されます。
目の下のくま治療は、この形(構造上)の問題を改善することがポイントとなります。この治療により、これまで外科的治療では困難であった目の下のくまを、大幅に改善できるようになりました。
2.目の下のたるみ治療
これまで目の下のたるみは、外側から行う皮膚切開法を用いないと、改善不可能とされてきました。
しかし、下瞼の裏
側から治療を適切に行うと、皮膚切開法による治療と最終結果は同様です。皮膚切開法には傷跡や、眼輪筋(いわゆる”涙袋”)の損傷に
よる不自然な目元などの後遺症が伴います。こういった後遺症を回避できることを考慮すると、目の下のたるみ治療は下瞼の裏側から行う
方法が、皮膚切開法より優れています。
”皮膚を切らない場合、脂肪等を除去した際、皮膚が余るのでは?”との質問を耳にします。
いわゆる、”脱脂治療”のみですと、皮膚のたるみは解消されず、治療としては不完全です。年齢にかかわらず、皮膚は皮下組織から解離されると、収縮する働きがあります。
この作用をうまく活用し、皮膚を切除することなく、皮膚のたるみを含めて目の下のたるみを解消することが、この治療の最大のポイントとなります。皮膚切開をしないで行う目の下のたるみ治療を希望される方は大変多く、当クリニックでこの治療を受ける方々の平均年齢は、約45歳です。
A: 目の下のくま、たるみ治療の医学的正式名称は、経結膜下眼瞼形成術です。この方法は過剰脂肪摘出操作(いわゆる”脱脂”)と下眼瞼皮膚のリフトアップの2操作から構成されます。この治療を行うと、治療後にある程度の腫れが必ず起こりますが、その度合いは下記の要因に影響されます。
1.内出血の有無
ひとたび内出血が発生すると腫れは増長され、内出血が完全に吸収されるには数週間が必要となります。治療後の腫れを最小限にするには内出血を起こさないことが肝心です。
当クリニックでは正確な止血操作を行い、治療終了直前に完全な止血を再確認するので、大きな腫れを誘発する内出血が起こることはございません。
2.治療時間の長さ
例えばこの治療に不慣れな医師が手術を行い、治療時間が延長したとすると、組織を圧迫する時間が延びたり、麻酔量が増えるため、腫れが増長します。
当クリニックでは、眼周囲美容外科治療の専門医の私が行った、過去5000症例以上の目の下のくま、たるみ治療から得た安定した技術を用いて、最短時間(両目で30分程度)でこの治療を行います。このように専門医が短時間で治療を行うと、治療後の腫れが最小限となります。
3.治療手技の具合
例えばこの治療に不慣れな医師が手術を行い、その手技が荒っぽいと、無駄な組織侵襲が増し、腫れを増長させます。腫れを最小限に食い止めるには、確実な止血操作を行った上で、常に良好な視野を確保しつつ、丁寧かつ繊細に治療することが不可欠です。
当クリニックでは、脳外科や眼科領域などで使用される微少外科(マイクロサージェリー)用の低侵襲レーザーで目の下のくま、たるみ治療を行います。この低侵襲レーザーを用いた上で、微少外科(マイクロサージェリー)研修を終了した専門医(私)が治療を行うと、腫れが最小限度の治療が可能となります。
下症例写真をご覧ください。
目の下のくま、たるみ治療に来院された40代前半の女性です。
治療前写真を観察すると、左>右の目の下のくま、たるみが存在します。
そこで、2010年1月20日に経結膜的下眼瞼形成術を施行しました。
治療1週間後の写真を観察すると、治療後の腫れはすでに解消されています。
ご本人の体質にもよりますが、この症例のように上記注意事項に配慮しつつ、この治療の専門医(私)が治療を行いますと、ほとんど腫れを起こさずに、良好な治療結果が早期から得られます。


A: 目の下のくま(クマ)と目の下のたるみを明らかに区別することは不可能ですが、これらの間には下表の如く差異があります。
| 目の下のくま(クマ) | 目の下のたるみ | |
| 過剰脂肪 | + | +++ |
| 色素沈着 | ++ | − |
つまり、目の下のくま(クマ)は、目の下の色素沈着が通常より過度に存在し、目の下の形状(やや余計な脂肪が存在)が原因となって、目の下の黒っぽい影や色素沈着が目立つ状態を表します。
右写真が典型的な目の下のくま(クマ)症例です。
それに対して、目の下のたるみは目の下に色素沈着が存在せず、目の下に過剰脂肪のみが存在する場合で、目の下の皮膚が膨らみ垂れ下がったような状態を表します。
右写真が典型的な目の下のたるみ症例です。
A:目の下の”青くま”や”茶くま”などですが、これらの名称は化粧品会社やエステサロンで頻繁に用いられているようです。
しかしこれはあくまで俗称であり、医学的用語ではありません。
”青くま”や”茶くま”などに関して目の下の血行障害がその原因であるなどとの見解があるようですが、 医学的見地から申し上げますと、 目の下のくま(クマ)に対する血行の影響はほとんどありません。
すなわち、これらの名称には医学的根拠はなく、あくまで目の下のくま(クマ)の色調が青く見えるのか、それとも茶色っぽく見えかによって、その名称を変えているに過ぎません。
A:下図を参照ください。
人によってその割合は異なりますが、大半の場合、目の下のくま(クマ)目の下の影や色素沈着を目立たせている目の下の形状の問題がその主な原因(約75%)となっています。

従って目の下のくま(クマ)治療は、目の下の形状を改善する下眼瞼形成術(目の下のくま、たるみ治療)を優先的に行うべきです。 残りの目の下のくま(クマ)の原因である色素沈着(約25%)は、下眼瞼形成術を行った後にスキンケア等で改善すると、さらに良好な結果が期待されます。
下写真のように目の下のくま(クマ)治療前後を比較すると、目の下のくま(クマ)の改善効果がわかります。眼窩脂肪が主たる目の下のくま(クマ)の原因ではないため、摘出される脂肪は微量です。

次に目の下のたるみについて説明いたします。

左図の如く、目の下のたるみの原因は目の下のくま(クマ)と異なり、色素沈着は存在せず、
目の下の形状と過剰眼窩脂肪がほぼすべての原因となります。
目の下のたるみ治療は目の下のくま(クマ)治療と同様に下眼瞼形成術を行います。
この場合、眼窩脂肪が過剰に存在することが多いので、下写真のように脂肪除去(いわゆる”脱脂治療”)を、目の下のたるみが完全に改善するまで適切に行うことが重要です。

A:はい、行っております。いわゆる”垂れ目形成術”の正式医学名称は、下眼瞼拡大(下制)術と言います。目の下のくま(クマ)、たるみに行う経結膜的下眼瞼形成術自体にも目尻を下げる効果がありますが、さらにその効果を得たい場合は、垂れ目形成(下眼瞼拡大)術を行うことがあります。
垂れ目形成(下眼瞼拡大)術の進入経路は、下眼瞼形成術の場合と同様に経結膜的アプローチを用います。
解剖学的構造を維持しながら、lower retractorと呼ばれる下眼瞼組織の外側部を5~8ミリほど短縮し、縫合します。
この操作により下眼瞼外側部はやや下がり、いわゆる”垂れ目”に近づきます。
垂れ目形成術で注意すべき下記の2点です。
1)逆さまつげの発生(睫毛内反症):
効果を強く得るため、下眼瞼組織を短縮を極度に行うと、下眼瞼睫毛部位が眼球方向に引っ張られ、逆さまつげを誘発する可能性があります。
2)いわゆる”三白眼” の出現:
三白眼とは、眼球と下眼瞼間に白目が見える状態を表します。垂れ目形成術を強く行い、下眼瞼下垂が極度となると眼球下に白目が出現し、 ”三白眼”傾向になる可能性があります。
したがって、治療はこういた不具合が発生しないよう、控え目に行うので、治療結果はあくまで限定的です。
より大きな効果を求める場合は、下眼瞼皮膚切除を加える必要がありますが、その場合も上記不具合が発生しないよう、十分配慮して治療を行う必要があります。
治療時間:60分
手術手技:
不安の強いお客様は鎮静剤を用います。
下眼瞼結膜に局所麻酔を注入します。
下眼瞼瞼板下部結膜面から高周波レーザーにて下眼瞼外側内部に侵入します。
下眼瞼構造を維持しながら、lower retractorを露出します。
lower retractor遠位部と瞼板近位部を吸収糸で短縮縫合します。
lower retractor近位、余剰部分を切除し、手術終了です。
ダウンタイム:3〜4日間
回復までの経過:
目の下のくま(クマ)、たるみに行う経結膜的下眼瞼形成術とほぼ同様の経過をたどります。
しかし、 lower retractorと呼ばれる下眼瞼組織の一部を切除、縫合するので、経結膜的下眼瞼形成術よりやや回復は遅れます。
縫合糸は吸収糸を用いて組織内縫合しますから、抜糸の必要はありません。