目の下のたるみ手術、術中連続写真とその解説

2013年10月26日

現在私は眼窩形成外科のテキストブックを作成中である。目の下のたるみ治療を希望される方の参考にその内容の一部を抜粋する。

下記抜粋は目の下のたるみ手術の術中連続写真に解説を加えたものである。

目の下のたるみ治療について
 
1. 7-0黒ナイロンで右下眼瞼瞼板下端粘膜に糸をかけ、同部位を反転させる。上眼瞼眉毛が長い場合や、いわゆる"エクステンション(睫毛)"をしている場合は手技の邪魔になるため3Mテープで"エクステンション(睫毛)"を上反転固定し、術野を確保する。27~30ゲージ針にて下眼瞼皮下に3~6mlの局所麻酔(1%キシロカイン、アドレナリン10万倍)を注入する。

 

 

2.右下眼瞼下端(Fornix、円蓋部)に7-0黒ナイロンをかけ、術野を最大限に確保する。

 

 

3.同部位に高周波数(ラジオ波)電極針(エレマン社製)で進入する。下眼瞼瞼板を筋鉤(Retractor)で把持しながら綿棒で隔膜(Septum)を下に圧排し、前隔壁を下位に残しながら展開する(隔壁前アプローチ)。

 

 

4.隔壁直下の下眼窩脂肪内側部と中央部をピンセットで把持しながら広げ、その範囲と過剰脂肪量を予測する。

 

 

5.隔壁を切除すると余剰下眼窩脂肪が自然に逸脱する。この自然に逸脱した下眼窩余剰脂肪が目の下のたるみ(Baggy eyelid)の原因である。

 

 

6.下眼窩脂肪内側部位をピンセットで把持しながらが上方に引き出しながら、切除範囲を同定する。

 

7.同定された余剰下眼窩脂肪をペアン鉗子にて把持する。把持方向は下眼窩脂肪に対して確実に垂直であることに留意する。垂直に把持出来れば、左右均等に除去出来るので、凹み等などこの治療に伴うトラブルを回避出来る。

 

 

8.ペアン鉗子で把持した余剰下眼窩脂肪内側部と中央部を鑷子で切除する。

 

9.バイポーラー鉗子にて切除部位を確実に焼灼、止血する。

 

 

 

10.切除された右下眼窩脂肪内側、中央部の一部。

 

11.同様に下眼窩脂肪外側部を同定した上で上方に引き出し、ペアン鉗子にて把持し、切除する。

 

 

12.下眼窩脂肪外側部の切除後、再び内側部を展開し、左右上下のバランスを考慮しながら、余剰部位を少量ずつ丁寧に除去(トリミング)する。

 

13.トリミング終了後筋鉤で下眼窩を左右尾側方向に展開すると、余剰下眼窩脂肪が切除され平坦化されている。余剰下眼窩脂肪除去は同脂肪位置が下眼窩縁(Arcus Marginalis)と同じ高さになるよう調節すると、立位で下眼窩直下の頬骨面と同位置となり凹みが確実に回避される。

 

14.下眼窩外側深部は眼窩底から下眼窩脂肪に侵入する動静脈があり、下眼窩脂肪を引き出す際に裂傷を来たし、治療後に予想外の内出血を伴うことがある。治療を終える前に綿棒等で残存下眼窩脂肪を下方に圧排しながら、眼窩底部から下眼窩脂肪に侵入する動静脈からの出血の有無を確認する。出血がある場合はバイポーラー鉗子にて確実に止血する。

 

15.摘出された余剰下眼窩脂肪内側、中央、外側部。

 

16.治療終了前に下眼瞼粘膜進入部位毛細血管断端部をバイポーラー鉗子で止血する。

 

 

17.治療直後の反転していた下眼瞼を戻し、外表面を確認する。下眼瞼睫毛直下の眼輪筋部がやや膨隆しているが、これは局所麻酔薬による腫れによるもので、この膨隆は比較的すみやかに解消される。眼窩内皮膚表面は、局所麻酔薬に含まれた血管収縮剤の効果で皮膚毛細血管が収縮し白味を帯びている。この白色変化は治療後1~2時間程度で局所麻酔薬の効果の消退とともに回復する。また皮膚表面につけられた青色マーカーは、下眼窩脂肪内側・中央境界部と外側部のおおよその位置を示すものである。下眼窩脂肪内側・中央境界部は眼裂の中央とほぼ一致する。

 

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