眼窩解剖-1/目の下のクマ(くま)治療関連コラム

2014年05月08日

1.上下対称な眼瞼構造

 

眼窩解剖を学ぶ上で重要なことは、眼窩組織が図-1の如く上下対称になっていることである。このことは眼窩組織の発生学上で生じた興味深い事実であるが、この眼窩の上下対称構造を考慮に入れながら、眼窩解剖を理解することが重要である。それは上下眼瞼手術を行う際、この対称性をイメージしながら手術を行うほうがオリエンテーションをつけやすいからである。

図-1:

・上眼瞼の皮膚直下に斑状赤で示された眼輪筋が存在し、この筋肉は閉眼作用を有する。

 

・眼窩深部から上眼輪筋下に延びる緑で示された組織は眼瞼挙筋腱膜である。挙筋腱膜はその直下で紫色で示されたミュラー筋、さらにその奥に存在するピンク色で示された眼瞼挙筋と結合しており、開眼機能を有する。

 

・挙筋腱膜下で青色で示された部位は軟骨組織から成る瞼板で、円滑な開閉眼に必要不可欠である。

 

・上眼窩奥にある黄色で示された組織は上眼窩脂肪であり、この脂肪はその前方にある眼窩隔壁内に収納されている。眼窩脂肪は眼球を保護する役割を担う。

 

・下眼瞼組織も上眼瞼構造とほぼ同様であるが、下眼瞼で緑と紫で示される部位は上眼瞼の挙筋腱膜と眼瞼挙筋に相当するが、機能を有さずpalpebral ligament、もしくはlower retractorと呼ばれる。

 

・下眼瞼内で眼球に付着したピンク色で示された部位は下斜筋と呼ばれる外眼筋である。

 

 

2.眼輪筋

上下皮膚直下に層状の眼輪筋が存在し、閉眼の際に眼輪筋は収縮する。また下眼瞼の眼輪筋は微笑む際にも収縮し、下睫毛に膨らみになる。この眼輪筋の膨らみは俗称で"涙袋"と呼ばれ、特に若者たちの間で魅力的な目元の特徴として好まれる。(図-2)

 

図-2:

・上写真は通常の表情で撮影、下写真は微笑時に撮影された。微笑時眼輪筋が収縮し、膨らみを形成している。

 

つまり眼輪筋は閉眼という機能的役割を果たすとともに表情筋として極めて貴重な役割をも有している。したがって、皮膚切開法による上下眼瞼形成術では眼輪筋への侵襲を考慮して治療を行わねばならない。上眼瞼切開法では、眼輪筋繊維に対して平行切開となり、ほとんど眼輪筋損傷が起こらないので問題になることはほとんどない。図-3の矢印に示されたピンク色の組織が上眼瞼眼輪筋である。

 

図-3:

・上眼瞼皮膚切開を行い、眼輪筋を露出したところ。矢印で示したピンク色の部位が眼輪筋。

 

3.瞼板

また上下眼瞼眼裂縁は瞼板と呼ばれる板状の軟骨組織(青)があり、閉眼の際に上下瞼が緩みなく締まるために必要である。図-4では二重埋没法を行うため、瞼板遠位部をピンセットで把持し、上瞼を反転させながら局所麻酔剤を注入しているところである。反転された黄色くみえる部位が上眼瞼瞼板である。

 

下眼瞼瞼板は上眼瞼瞼板ほど大きくはなく、図-5の如く下眼瞼を反転した際に認められる下眼瞼遠位端の2~3㎜程度の幅の軟骨である。

図-4:

・上眼瞼を反転させると、上眼瞼結膜の下に黄色く見える部位が上眼瞼瞼板。

 

図-5:

・下眼瞼を反転させると下眼瞼瞼板が現れるが、上眼瞼瞼板よりその幅は狭いことがわかる。

 

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