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嬉しい知らせ

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先日手術が終わってパソコンを開くと、クリニックに勤務していたあるスタッフから一通のメールが舞い込んでいた。僕はそのメールを読んで思わず微笑みがこぼれたのだが、その理由を以下に述べたい。

クリニック営業は全てを僕一人で行うことは到底不可能で、共に働くスタッフの存在が欠かせない。何故なら僕が行うのはあくまで手術で、手術に全力投球するにはそれ以外の業務をスタッフに任せるべきだからだ。

 

もっと言うと手術自体僕一人で行うことは出来ず、必ず助手介助が必要で、その助手の高い能力・資質が手術成功への重要な鍵の一つと言っても過言ではない。したがって僕は、常にスタッフたちに妥協を許さない厳しい躾けや訓練を課し続けている。'

 

時として僕のスタッフへの厳しい態度は、彼女たにとって叱りや説教となり反感を買うこともあるが、レベルの高い手術を維持するには致し方ないと心を鬼にしてやっている。僕自身、外科医研修を始めた頃は学生気分が抜けず、助手作業を上の空でやっていると、それを即座に見抜いた執刀医は"しっかり気合いを入れて手術に参加しろ!!"とどやしつけられたものだ。

 

その時僕は"外科医とはなんて恐ろしい人種なんだろう。。"と恐れおののいたが、手術が終わった途端、この外科医の顔はみるみる柔和になり、"何か美味しいものでも食べに行こう"と僕を食事に誘ってくれた。その食事会はとても楽しく、今想うとこの外科医は決して恐ろしい人などではなく、最良の結果をもたらすため手術と真剣に取り組んでいただけなのだ。

 

その後僕も外科医になり、自らクリニックを開業し、多くのスタッフたちとの出会い、別れを経験してきた。女性職員の場合、就職して数年経過すると結婚や出産などの転機を迎えたり、やむを得ない事情で故郷に戻る等々、退職せざるを得ない状況がある。

 

また20代前半の若いスタッフを雇うと、彼女たちには将来への夢や野心もあり、クリニックで数年勤務した後、実力をつけて新たなる活路を見出すこともある。その典型的な例を紹介すると、20代そこそこで当クリニックに入職したあるスタッフは、看護師資格を有していなかったのでエステ手技・手術準備・そのあと片付けを中心に仕事をしていた。

 

ところがこのスタッフ、医療系業務への筋が大変良く、数年間勤務しているうちに看護師業務以外の全てをとても要領よくこなせるようになっていた。そしてある日彼女は僕に「実は私、ここで勤務している間に幼い頃の夢が看護師になることだったと想い出しました。そして遅ればせながら看護学校に入学して、看護師になろうと思います」と。

 

彼女は若く有能だったので、今後も僕の元で働いてくれることを期待していただけに、大変ショッキングな知らせであった。だが幼い頃の夢を想い出し、それを叶えようと進み始めた彼女を制止するわけにもゆかず、僕は彼女の退職を認めた。

 

それから半年が経過したある日、このスタッフから一通のメールが届いた。その内容は「先生私、難関の看護学校に入学できました。これも先生の元で働き、看護師に真剣になりたいと思うようになれたからで、本当に感謝しています!」と。

 

クリニックの存在意義は、安全で価値ある美容医療を実践してゆくことに他ならないが、それ以外にも大切なものがある。それは看護師に羽ばたいて行ったこの元スタッフの例の如く、このクリニックが将来を担う若者たちの才能や資質を開発し、良い方向に導く道しるべとなることだ。

 

クリニックでは退職した彼女の代わりにすでに新スタッフが入職し、日々僕の厳しい指導に耐えながら研鑽を積み始めた。それは僕が若かった頃、先輩から与えられたかけがえのなもので、それを今度は僕が若者たちに与える役割を担ったのだ。この元スタッフと仕事に明け暮れた日々を懐かしく想いだしながら、そんなことを感じた。

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