GINZA CUVO

2014年5月アーカイブ


先日自宅で何気なく衛星放送をつけてみると、ローリング・ストーンズのライブコンサートが放映されていた。このバンドは1962年英国でビートルズとほぼ同時期に結成され、世界中で誰もが知っている息の長い人気バンドだ。そのボーカルのミック・ジャガーは年齢こそ70歳だが、現在もこのロックバンドの中心として飛んだり跳ねたりしながら精力的に歌っている。


僕がテレビをつけたとき、ミック・ジャガーの姿か遠方カメラにて映し出されていたが、その姿は良く鍛えられていると見えて贅肉やお腹も出おらず、どうみても40~50代かそれよれより若い男性にしか見えなかった。


また彼の歌声も、1960年代の全盛期とさほど引けを取らない、見事なものだった。ローリング・ストーンズは、バンド結成からすでに50年以上経過しているが、衰えを知らないその姿や歌声を見て、本当にこのライブ番組は今年撮影されたものなのか思わず疑っうほどだった。


その後カメラは次第にミック・ジャガーに近づき、彼の顔を捉え始めた。するとその顔は白人の高年齢層に特徴的なしわの多い彼の暦年齢と矛盾しないもので、この番組が今年撮影されたライブだと僕はようやく理解した。


テレビに映し出されたミック・ジャガーを見て、僕は老化に関して決定的な事実を再認識した。それは顔は老化しやすいが、体(骨格、筋肉)は正しい生活やトレーニングをしていれば、そう簡単に老化しないという事実。ミック・ジャガーのみならず、往年の歌手たちが、何十年もほとんど変わらない音色で歌い続けられるのも、声を出す声帯とそれを動かす筋肉がそう簡単に老化ないからだと思われる。


ところが体の中で顔(首を含む)だけは例外で、加齢とともに老化兆候を顕著に示しやすい。それにはいくつかの理由があるので、それらを列挙すると


1.常に露出しているので、紫外線による老化(しみ、しわ)が起こりやすい。

2.体の他部位より皮膚が薄い箇所が多く、しわが発生しやすい。

3.表情筋の複雑な動きや上瞼のような反復動作で、しわ・たるみが起きやすい。

4.眼窩周囲・頬部には筋肉下層に脂肪塊があり、これらが加齢と共に下垂し、しわ・たるみを引き起こす。


このように顔には老化を誘発する要因がいくつかあるため、どんなに正しい生活やトレーニングを継続しても、効果的に老化を食い止めることはほとんど不可能である。逆に体は服装で紫外線から保護されており、筋肉は単純な屈曲・伸展運動のみであること、そしてその構造自体も単純なので、ケアさえ怠らなければ老化は効果的に予防出来る。


先日も当クリニックに二の腕(上腕部)の脂肪吸引を希望する20代の女性がいらしたが、僕はすぐに脂肪吸引するべきではないと判断した。そして彼女には正しい生活習慣、すなわち月1~2キロ減量、半年程度で6キロ程度ダイエットする方法を指導した。それで彼女の上腕の脂肪はほぼ解消されるとアドバイスすると、彼女は目を輝かしながら真剣に僕の話に耳を傾け、まずはダイエットすることを約束して帰って行った。


ミック・ジャガーの例を含め上記内容から、アンチエイジング医療の基本概念がわかるだろう。すなわち、顔面の老化予防の第一選択選択肢は、外科手術を含む美容的医療の実践、そして体部老化予防の第一選択肢は、ダイエットや運動療法を含めた内科的医療の実践だということ。顔の老化原因を外科的に絶ち、あとは正しい生活習慣を維持しながら明るくポジティブに生きる努力を怠らなければ、我々の予想より遥かに長く若々しく生きられるはずである。


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