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美容外科研修会に参加して

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医師たちに囲まれながらの手術

4~5年ほど前、僕は美容外科医師仲間たちとアンチエイジング外科研究会を立ち上げ、手術研修を中心とした勉強会を定期的に行っている。"百聞は一見にしかず"ということわざがあるように、手術も教科書を読んだり医師の話しを聞くよりも、実際の手術を見るのが一番効率良く学べるのだ。


外科医はいきなり手術が出来るようになるのではなく、先ず先輩外科医の行う手術を見学し、自分が出来ると確信した手術に挑戦する。そして自分が行った治療の確認・検証のために教科書を読み、新たに手術に臨み、研鑽を高めるのがその王道だろう。実際僕の場合も、手術習得過程を振り返ると、見学・実地・教科書を用いた学習の繰り返しから習得したので、その王道を行ったと確信している。


僕の外科医キャリアをマラソンに例えると、すでに折り返し地点(ハーフポイント)をとっくに越えた。そしてつい最近まで諸先輩から手取り足取り手術を学んでいた僕が、今度は手術を教える立場に廻ったことにも気づいたのだ。


これまでの9年間、約6,000例近くの目の下のクマ(くま)や目の下のたるみ症例を経験し、僕は揺るぎない技術を体得した。この技術をラーメン屋さんの商売に例えると、それはお客さんに思わず旨いと舌鼓を打たせる秘伝スープのようなものだろう。


よく"行列の出来るラーメン屋さん"という番組で、人気ラーメン店にテレビ取材の入るシーンがある。そしてラーメンを作る過程の取材は途中まで行われるが、取材がスープ作成の核心部分に迫ると、店主が「ここから先は取材は勘弁して下さい!」と取材拒否するのが一般的だ。


それは店主が自分のあみ出した秘伝スープを競合他店、もしくはこれからラーメン屋を目指す人たちに簡単に盗まれたくないという強い気持ちが働くからだ。僕もこれまでこのラーメン屋さんのような秘密主義を貫き、自分が体得した技術は決して露出しないよう心がけてきた。そこには僕が10年近くかけて培った技術を簡単には公開したくないという強い思いがあったからだ。


だが実は僕も、この治療の原型を諸先輩から学んだからこそここまで到達出来たのだ。そして今度は僕が美容外科を目指す若い医師たちにチャンスを与えることが、僕が学んだ諸先輩立ちへの恩返しになると感じた。


今回アンチエイジング外科研究会で僕と同様、指導的立場にある西永福・山本クリニックの山本豊医師とともに、下眼瞼周囲手術セミナーで僕は自分の技術を初公開した。当初僕は、一部のみを公開しようと思った。だがそのモデル患者さんは、山本クリニック・スタッフの知人で、そのスタッフから"どうか知人の治療をお願いします!"と懇願された途端、医師としての本能が働いた。


つまりその患者さんが、僕にいつも通りの最良の治療を行って欲しいという強い気持ちがあることを僕は直感したのだ。そして僕はついに腹を決め、最良の治療結果が得られるよう、自分の技術を包み隠さず公開する決意に至ったのだ。


この技術を暴露したことに当初は複雑な心境だったが、そこに参加した20名近くの医師たちから大変勉強になったとの多数の賛辞コメントを頂いた後、これで良かったのだと僕は自分を諭した。


治療終了後、これからを担う若い外科医たちに、この治療に不慣れな期間は控え目で安全な治療を最優先にするよう、口を酸っぱくして言った。今回研究会での実技発表を通して僕は、今後美容外科がさらなる発展を遂げるよう、こういった活動に参加することが新たな使命と認識した。そして微力ながら、こういった努力を継続してゆきたいと思っている。

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