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気づき(Knowing)-1

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早朝すでに太陽がまぶしい、ビバリーヒルズ、形成外科センター前で

資本主義の罠

僕は普通のサラリーマン家庭に昭和40年初頭に生まれた。両親ともに戦前生まれで、昭和20年の敗戦後の復興の中、懸命に生きていた。僕が幼少の頃の北海道はまだ貧しく、自宅や学校も石炭ストーブ、水洗トイレはもちろんなく、朝顔を洗うにはお湯を沸かして行うといった具合だった。

小学生に上がる頃からテレビが現れ、ようやく一般家庭に娯楽と言えるものが現れた。特に昭和40年代以降の日本は、めざましい経済発展を遂げ、父をはじめとする多くの日本のサラリーマンたちは、不眠不休の如く働き続けていた。その頃僕の父は、仕事に出ずっぱりで、僕の夏休み中に一緒に出かけようしても、3日続けて休めないほどだった。

すでに他界した父だが、このように日本が豊かな国になったのも、ひとえに彼らのおかげで、その勤勉さに感謝せざるを得ない。だが僕は最近になって、こういった日本に経済発展をもたらしてた勤勉な労働者たちが、実は資本主義社会をコントロールする一部の支配層の奴隷と化していたことを知った。

サラリーマンとして40年以上懸命に働いた父が他界した時、彼に残された財産はほとんどなかった。父が生涯努力して稼いだ収入のほとんどは、住宅ローン、生命保険、さらに時代の流れとともに値下がりした不動産などとして消えた。

その消えたお金は、銀行や保険会社を支配する大株主たちの懐を厚くするのに貢献したのだ。こういった一部の支配層は、父のような真面目なサラリーマンたちを生涯働き続けさせて、彼らしか手にすることの出来ない莫大な財を築いたはずだ。

僕は父がサラリーマンとして働くあまりに過酷な姿を見て、いつも将来サラリーマンにだけはならないようにと、子供ながら心に誓っていた。だが、そのような父の背中を見て育ったはずの僕も、いつの間にか資本主義社会の罠、すなわち拝金主義の洗脳につい最近までどっぷりと漬かっていたのだ。

ではこの拝金主義の洗脳とは何だろうか。 第二次世界大戦後のわが国は既存の文化、価値観がすべて取り壊された。そして 日本の復興にあたって、 先進国流資本主義が導入されたのは周知の事実である。 この先進国流資本主義こそが、拝金主義の洗脳と呼ばれるものだ。

すなわちそれは、お金は貯蓄するものであり、お金さえあれば将来も安泰なので、節約や貯金が何より大切といった考え方であった。敗戦後、自信を失っていた日本人は、この一見まっとうに思える考え方を頭から信じてしまった。

その結果、元来勤勉な我々日本人はひたすら働き、この経済発展を成し遂げた。だがそれは同時に、ほとんどの日本人が、先進国流資本主義を推奨し、そこから利益を吸い上げる一部支配階級の犠牲と成り果てる結果となった。

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