GINZA CUVO

2010年6月アーカイブ

P1000367口コミで広がる韓国の美容医療

したがって、美容クリニック同士の競争はかなり激しいらしいが、それはどの国であろうと、都会であれば必ず認められることで致し方がないだろう。肝心なのはそういった競合関係の中で、どのように自分のクリニックに顧客を誘導するかにつきる。リー医師のクリニックで最後に驚かされたのが、いわゆる宣伝広告をまったく行っおらず、なんとホームページすら敢えて作成していないことだった。

日本ではあり得ないことだが、韓国は日本と比べものにならないほど、美容医療が一般に浸透していて、治療を受けたことを他人に隠す習慣がない。したがって、治療が上手くゆくと、口コミでどんどんと患者層が広がるため、長く良い治療を行っているリー医師のクリニックでは、ホームページがなくても十分な集客が可能なのだ。日本ではどんなに良い治療を行っていても、口コミのみで顧客層がどんどん広がることはなく、どのクリニックもホームページを作成しておくことが安定した集客には欠かせないので、この点は日本と韓国で大きく異なる。

診療見学終了後、流ちょうな日本語を話す美容皮膚科女医さんを交えて3人で食事をした。彼女は日本美容医療事情にも通じていて、僕の知らない日本の美容医療にまつわるゴシップまで知っていて驚かされた。このように日本語、韓国語両方に通じた医師を友人に持つことは、美容先進国、韓国の情報をいち早く知る上で、大変貴重なことだ。

P1000375最後に

韓国は羽田から国内旅行感覚で1泊2日でも行ける身近な隣国だが、言葉や文化の壁は大きく、お互いが心から理解し合うのが困難なことも事実である。韓国の美容医療は日本のそれに比較できないほど広く浸透しており、それは日本の保険一般診療なみかもしれない。つまり、集客に日本ほど苦労しないことは、韓国美容医療の優れた点であろう。

インターネット広告はいわゆる”諸刃の剣”で、広告をすればするほど集客は可能かも知れないが、金銭的負担が大きくることを踏まえなければならない。また、故意に誹謗中傷等を受け、集客のマイナスになることもあり、それが日本での美容医療の広がりを妨げる要因の一つにもなっている。

韓国美容医療を見習い、ある程度安定した顧客確保が可能になれば、インターネットに頼らずに営業を行う方針に切り替えるべきなのかもしれない。お隣の韓国での治療内容やその手技、そして診療スタイルも大幅に異なる。だが、このような相違点から大変勉強になることがあり、両国の美容医療繁栄のために今後はますます交流を深めてゆくべきだと思った。

P1000407リー医師の診療コンセプト

日本のクリニックは、一般的に待合室など患者さんがくつろぐスペースは小さく、クリニックに来るお客さんは治療のみを目的としており、目的を果てすとすぐにクリニックを去ってしまう。しかし、人間は感情を持ちあせた、大変に繊細な生物なので、本当はクリニックのような場所にも人間同士のコミュニケーションを求めている。そういった余裕がクリニック側にあると、安定した経営が成り立つのに貢献するのではないかと感じた。

リー医師のクリニックで唯一気になったのが、いわゆる”診察室”がないことだった。ではどのように診察をするのだろう?なんと彼は、治療室や待合室に出向いてはその場所で患者さんの診察をしていた。日本ではプライバシー尊重の優先順位が高いので、診察室以外でその都度診察するやり方は受け入れらないかもしれない。

だが、ここにもリー医師の診療コンセプトが現れている。つまり、医師-患者間に壁を作らず、良好なコミュニケーションを第一優先としているのだ。実際、患者さんは、まるで古くからの友人のように振る舞い、彼は患者さんの手をとりなが、一緒に治療室に向かうほど良好な信頼関係が築かれていた。医師-患者間の大きな壁を取り払う意味では、こういうやり方大変参考になった。

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韓国と日本の美意識の違い

最近、韓国でも経済状態が停滞し、クリニックの景気もかつてに比べると静かになったという。しかし、そこは漢南の有名クリニックだけあって、患者さんは次第に集まり、昼過ぎまでに6~7人の患者さんをこなしていた。午後からは目の上下たるみ取り、顔面脂肪注入、スレッドリフト(糸で引っ張るフェイスリフト)などの手術が3件ほど入り、午後8時近くまでクリニックは大盛況であった。

彼のクリニックで行われている治療内容も、僕のクリニックとほぼ同様であるが、韓国と日本で根本的に異なる点があるが、それは美意識の違いとでも言えばよいのだろうか。その違いを顔面治療を例に挙げて説明すると、日本では小顔治療、つまり、顔からボリュームを減らして、少しでも華奢に見える顔が綺麗とされる。だが韓国では鼻を高くすることはもちろん、脂肪や場合によってはゴアテックスなどの人工材料を用いて、頬や額などにボリューム感を持たせ、華奢よりもむしろ大作りな顔の方が好まれるのだ。

また、リー医師のクリニックでは無痛で治療を行うため、すべての患者さんは静脈麻酔下で無意識のうちに治療を終えていた。これもリー医師が心臓外科医として麻酔操作にたけているメリットを生かし、患者さん優位の治療を行う姿勢がうかがえた。

午後3時過ぎには本格的な手術を終え、昼食を食べにリー医師と外出した。江南地区は新しく開発された地域であるため、街が新しく主に若者たち中心の、東京で言えば、表参道のようなファッショナブルな街である。この地区での美容外科の数は数え切れないほどあるらしく、表通りにある大きなビルには必ず1,2件の美容系クリニックが入居しているほどだった。

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