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極寒と乾燥の北京の冬

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北京は日本から空路 で3時間余りの距離にある中国の首都である。人口は1600万人ほどで中国共産党本部が存在する。文化的には中国清朝最後の皇帝、溥儀を描いた映画”ラストエンペラー”で有名な紫禁城がある。また、1989年、中国の民主化を求めた学生たちがデモを繰り広げた末、軍に弾圧され多くの犠牲者が出た天安門広場がこの街の中心に位置している。そして、2008年には中国でオリンピックが開催され、中国のめざましい発展が世界に示された。


中国の大都市では北京、上海が有名だが、これらの都市を日本の都市にたとえると、北京が東京、上海が大阪に相当するらしい。つまり、行政中心地が北京であり、商業を基盤にするのが上海なのだ。前回北京を訪れたのは、オリンピックが開催される随分前だったので、北京の様変わりには驚いた。当時の北京は自転車がたくさん走っていたが、今はその面影はほとんどなく、自転車は車に取って代わり、道路は時間にかかわらず常に大渋滞となっていた。


今回北京を訪れたのは、先日大連で行った解剖実習セミナーでお世話になった先生への挨拶と、北京を中心に新たに立ち上がったアンチエイジング研究会視察が目的であった。人口抑制のための一人っ子政策の影響で、近い将来、高齢化が訪れる中国でも、アンチエイジング医療はすでに注目を集め始めていた。アンチエイジング医療は一大ビジネスチャンスでもあるから、諸外国企業が我先にと、この巨大マーケットに狙いをつけている真っ最中なのだ。


真冬のこの時期、北京やソウルなどアジア大陸の内陸都市に行くと、極度の乾燥と氷点下となる極寒の気候に遭遇せざるを得ない。この気候は大陸性独特の現象で、アジア大陸のみならず、米国内陸都市でも同様だが、空気が非常に乾燥しているので、呼吸をするたびに粘膜が乾き、息苦しさを感じた。


北京でも雪が降ることはあるが、積もることはほとんどない。その理由は、空気があまりにも乾燥しているため、雪がすぐに気化してしまうためらしい。それに比べると、海に囲まれた日本は、真冬でも空気は乾燥せず、とても暮らしやすい。いかに日本が恵まれた環境の国であるかをこういった機会に実感する。


健康には自信のあるほうだが、こういった厳しい環境下で、僕はひっきりなしに水を飲み続けた。また、普段から長時間睡眠をとる習慣があるため、睡眠時間が短くなると、すぐにばててしまった。それに比べて、今回同行したジャーナリストの友人は、こんな環境下でも水を飲むこともなく、短時間の睡眠でぴんぴんとしている。


植物でもサボテンのようにほとんど水が無くても生きれるものから、熱帯樹林のように常に湿潤した環境でなければ、すぐに駄目になってしまう種類もある。 普段の生活では彼より僕のほうが明らかに健康的だが、 こういった過酷な環境下では友人のほうが僕よりも丈夫だった。海外の慣れない環境下で生活を強いられるときは、健康に過信することなく、体調管理を優先的にし、ゆとりを持って行動すべきことを改めて考えさせられた。

 

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