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ハワイー5

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世界中から集まった若者たち バンガローでの共同生活は、自然のリズムに調和した極めて健康的な毎日だった。エアコンのない木造のバンガローの共同部屋は、就寝中も窓が開けっ放しだった。朝、辺りが明るくなり始めると、涼しい風と小鳥の鳴き声が開いた窓から部屋の中に入ってきた。日々のサーフィンの疲労のせいか、ベッドから簡単には起き上がる気がしない。だが、この自然の朝の気配は時間の経過とともに強くなり、午前9時にもなると、うかうか寝ていられなかった。 朝食にはマフィンやシリアル、バンガローの庭に育つバナナやマンゴーなどの果物を庭で食べた。朝食が終わる頃、ハワイ特有の容赦ない日差しが照りつけ始めていた。ヨーロッパ人の友人たちと全部で5名、僕が借りたレンタカーに便乗して、バンガローから15分程度の海へ向かった。一番仲良しのドイツ人、ヨルグは、窓から吹き込む風に見事な金髪をなびかせながら、短パンのみの格好で助手席に座っている。ヨルグはバッグ・パックからおもむろににんじんを取り出し、丸かじりし始めた。ヨーロッパ人たちはお腹がすくとリンゴやバナナなどの果物や野菜をよく食べる。僕も彼らの影響を受け、健康的な生活習慣が身についた。 長期間、彼らと生活していると、各々の国で人々の気質が違うことに気がついた。ドイツやスェーデン、ノルウェーなどのスカンジナビア諸国の人たちは、日本人の気質に似ていて、集団行動が得意で4~5人で行動する。一方、ヨーロッパでもイタリア、フランス人は、どちらかというと単独行動を好み、多くても二人程度で行動する。英国人も単独行動する場合が多いが、イタリア、フランス人よりも友好的で、独特なユーモアがあった。ニュージーランド、オーストラリア人も多数いたが、彼らは人なつっこく、純粋なキャラクターのことが多かった。遠方からはブラジルや、南アフリカに住む白人もいたが、彼らは自己主張が強く、髪型やファッションが個性的だった。ハワイはアメリカ合衆国であるにもかかわらず、驚いたことに約30名いた宿泊客の中に米国人は一人もいなかった。何故だろうと思い各国の人たちに尋ねると、「個人主義をとても重んじる米国人たちが、このような共同生活に自ら参加することは極めて稀です。」と答えた。さまざまな国の若者たちと交流することで、 ある日の夕方、僕はマフィンを一ダース買って、その一つを食べた後、共同冷蔵庫にしまっておいた。翌朝、残りのマフィンを食べようと冷蔵庫をのぞき込んだが、跡形もなかった。お腹をすかした若者たちとの生活は全てがこんな感じ。つまり、共同生活においては自分の物はみんなの物でもあった。僕は、この生活を通して日本と世界の常識の違いを知ることになった。しかし、こういった経験が、その後、世界基準で生きてゆくのに不可欠な要素となった。

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