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善意への恩返し

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キム先生との出会い ある年の春、僕は横浜で開かれた日中韓合同国際美容外科学会で発表した。発表の内容は"鼻の形に応じたプチ整形手法について"であった。無事発表を終えてほっとしていると、一人の韓国人医師が「久保先生初めまして。先ほどの発表ですが、あの鼻形の分類はどのような作られたのですか?」と僕に尋ねた。僕は「あれは自分で作ったのではなく、十仁病院初代院長が作ったものです。」と答えた。その韓国人医師は「もし、よろしければそのコピーを頂けませんか?」と続けたので、僕は「はい。メールで転送しますからメールアドレスを教えてください。」と言った。韓国人美容外科医、キム先生との交流はこのようにして始まった。キム先生はこれまで多くの学会発表を行ってきた韓国を代表する美容外科医の一人。僕は韓国で盛んな美容医療が実際にどのようなものか知りたくて、それ以後何度も彼と連絡を取り合った。ある日キム先生は僕に「12月にソウルで学会を開きます。是非、久保先生に発表していただきたいのですが。」と言った。僕は「喜んで。」と答え、そのとき僕の韓国行きが決まった。 真冬のソウル ソウル・インチョン国際空港に到着して外に出ると吐く息が真っ白、12月の韓国は体の芯まで冷え込む寒さだ。南北の緊張が続くせいか、空港は肩に小銃をかけた軍人がにらみをきかしている。冬の夕暮れ、ソウル市街はきれいな夕日に染まっていた。タクシーが街中心を流れるハンガン川に近づくと、土曜日の夕刻とあって車の量が一気に増えだした。ソウルの渋滞はあきらかに東京よりひどい。ようやくソウル・ヒルトンホテルに到着すると、待ち合わせをしていたキム先生が「ようこそ、ソウルへ!」と僕を元気よく出迎えた。僕の発表は翌日なので、その夜キム先生と郊外にプルコギを食べに出かけた。ホテルに戻って朝までぐっすり眠ると、早朝7時に突然電話のベルが鳴り響いた。眠たい目をこすって受話器に出ると、「久保先生、おはようございます!」と元気のよい声。なんとキム先生がもうホテルロビーにに迎えに着ている。朝寝坊の僕は面食らったが、キム先生は「もう、出発しますからすぐに降りてきてください。」と言う。学会は9時半に始まるのだが、その前に朝食を食べるらしい。車でしばらく走ると、日本で言うところの小さな商店に車が止まった。店先にはキムチが樽漬けになって売っている。朝食はこの商店の軒先でキムチ鍋が用意されていたのだ。"ぐつぐつ煮込んだ真っ赤なキムチ鍋を朝から食べるなんて!"キム先生が精力的なのはこのような食習慣のせいなだろうか。僕たち一行は汗をかきながらキムチ鍋を食べた後、学会会場に向かった。 チャンス到来 会場にはすでに300名を超す韓国人医師たちが集まっていた。僕の発表は"目の周りの最新治療"で、日本からただ一人招待されていた。こんなに多くの韓国人医師たちの前で発表するのは初めての経験のせいか、発表が近づいてくると胸の鼓動が高鳴った。僕の発表の直前に、もう一人海外から招待された米国人医師が発表を始めた。内容は"最新フェイスリフト"について、僕は米国で行われている最先端の美容医療に思わず食い入った。韓国人医師たちの発表は韓国語で行われるのでその内容は全く分からない。隣国なのに言葉の壁は意外に大きいと感じる。僕は英語で発表したが、過去に行った米国での発表よりこの発表の方が緊張した。何故なら、僕の発表内容を韓国人医師たちがどこまで理解しているのか気が気で無かったから。 発表を終えると昼食の時間、ほっとしながら皆と一緒に昼食会場へ足を運ぶとなんと朝食に続き、昼食も真っ赤な色をしている。やはり韓国、ほとんど全ての料理にキムチ味が含まれている。僕の前に発表した米国人医師と一緒に昼食を食べながら、お互いの国の医療事情について会話した。僕が興味を持っている"目の下のクマ(くま)、たるみの治療"について彼に尋ねてみた。彼は「実は明日ソウル市内の病院で"目の下のクマ(くま)、たるみ"に対するライブ・サージャリーを行います。是非入らしてください。」と言った。ライブ・サージャリーとは最新の手術治療を行い、それをビデオ撮影しながら学会会場に同時放映することを意味する。この米国人医師は「あなたは英語が話せるので、もし良かったら明日の手術の助手をしていただけませんか?」と僕に申し出た。僕は「私で良かったら喜んでお手伝いさせていただきます!」と即座に答えた。 ライブ・サージェリー これは僕にとってまたとないチャンスとなった。手術の助手は目前で執刀医の手技を見学出来るので、最も良い技術習得の機会となる。ソウル市内の美容クリニックでその手術は行われた。手術は執刀医の米国人医師、助手をする僕、看護師一人、通訳者とカメラマンが同席して行われた。手術の模様はこのクリニックから車で45分ほどの距離にある学会会場に同時中継される。そこでは300人余りの韓国人医師たちが巨大スクリーンに見入っている。手術内容は"目の裏から侵入する目の下のたるみ治療"、学会会場からは手術中に韓国語で執刀医に質問が次々に飛び緊迫感漂う。幸運な事に執刀医は米国人、質問に対し彼は英語で答えるので僕はそのすべてを理解し、"これは理にかなった優れた手術"と感動した。 従来までの目の下の手術は皮膚を切開する方法が一般的だった。しかしこの方法では傷跡などの危険性が伴う。医師は治療に生じる危険性を治療を受ける患者さんに説明する義務がある。患者さんの中には目の下の切開治療に関する危険性を説明した途端、治療を拒絶する方々も少なくない。僕はこの手術に伴う危険性を回避できないものか常々頭を悩ましていたが、当時の日本にその答えはなかった。この米国人医師の行う方法はこれらの危険性を見事に回避する画期的なものであった。"この治療こそ、僕が探し求めていたもの!"僕は直感した。 今から約5年近く前、ソウルで得たこの貴重な経験を契機に僕はこの方法を日本人向けに改良する事に全力を尽くしてきた。その甲斐あって今では安全で良好な結果を出す確固たる手法を習得した。医学に対する絶え間ない情熱を持ち続けた各国の医師たちの善意によって今の自分がある。僕はそう確信するとともに、一人でも多くの人の悩みの解決に努めようと思う。それが僕に与えられた善意への恩返しに他ならない。

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