GINZA CUVO

久しぶりに訪れた米国

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“切らない”外科医療 先週、僕は低侵襲外科学会出席のため、米国にユタ州、ソルトレーク市に旅立った。米国本土に行くのは2002年以来5年ぶり。学会に出席してみて、いわゆる“切らない外科治療”が日本だけではなく、世界の常識になってることを痛感した。従来までの外科医の常識、“切って治す。”はすでに通用しない。そもそも、人間はよほど変わった人を除いて、“切られる”のは本能的に避けたいと思う。外科医がメスを使うのは、切らないと治らない癌のような病気だった。患者さんは、命が助かるならやむを得ないと覚悟を決めて外科手術に望む。 特に、命に関わる医療ではなく、あくまで個人の生活レベル向上のために行う美容外科は、真っ先に切らない治療が主体となるべきと言える。外科医は“切ってなんぼ、自分たちの仕事は切ることにある。”と考えることが少なくない。そう言った考え方を根本から変える時期が来ている。 スキーのメッカ、ソルトレーク市 サンフランシスコまでは成田から飛行機で8時間、そこから飛行機を乗り継ぎ、2時間でユタ州、ソルトレーク市に到着した。学会には香港友人のHo先生が出席しており、空港に車で迎えに来てくれた。ソルトレーク市は2002年に冬季オリンピックが開かれたウインタースポーツの盛んな街。富豪の家系に生まれたHo先生は、なんとこのソルトレーク市の山麓に別荘を持っている。学会中、僕はHo先生の別荘に滞在することになった。大のスポーツ好きのHo先生は、別荘から20分の位置にある全米屈指のスキーリゾート、スノーバード・スキー場へ行くため、この家を手に入れた。 雪国で育った僕もスキーは歩くのと同様、いつの間にか覚えた。スキー検定一級は中学時代に取得し、医学生時代の5年間、毎年70日近くをスキー・インストラクターとしてスキー場で過ごした。僕のスキーの腕前は、オリンピックに出場した同僚たちとのトレーニングでめきめきと上達した。すでに一生分、スキーは滑ったからもう十分だろうと思って、過去5年間は一度もスキーに行っていない。しかし、今回標高3000メートル級、ロッキー山脈でスキーを経験し、再びその楽しさを味わうことになった。 米国の実態 モルモン教徒の多いソルトレーク市の治安は、全米で一番良いと言われる。しかし、僕の到着する数日前には全米を震撼させる事件が起きていた。18歳のボスニア系移民の若者が、この街のショッピング・モールでショットガンで4人の通りすがりの買い物客を撃ち殺した。学会場近くで起きたこの事件、物好きな僕は早速現場を訪れてみた。事件直後のショッピングモールは閑散としていたが、亡くなった方々への花束が掲げられていた。米国はその豊かな経済力を使って、世界一強力な国家となり、イラク介入など、少々強引と思われることをし続けている。しかし、米国国内での実態はそのような繁栄とうらはらに、物騒な事件が絶え間なく起きている。5年ぶりに訪れて垣間見た米国の理想と現実、世界屈指の強国に対し、案じる気持ちを持ちながら帰国の途についた。

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