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アンチエイジング紀行ー2(バンコク編)

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タイの医療事情 翌日我々は早朝に行われたアンチエイジング医療会議に出席するためバンコクから南へ2時間車を走らせ、パタヤにたどり着いた。道路は高速道路であるものの、でこぼこが多く、時々車のシートから体が宙に跳ね上がった。この時期のタイは雨期から乾期に変わる頃で、時折雨がふるものの、いわゆるスコールと呼ばれる雷を伴うような土砂降りの雨は降らない。日中は気温が30度を超え、75%以上ある湿度のせいか日が沈んでも気温は25度を下回らない熱帯夜だ。パタヤではタイで有数の総合病院の一つを訪れた。タイでは日本のように国が税金から支出する国民健康保険制度が存在しない。外国からの駐在員やタイ人のお金持ちたちはそれぞれ、健康保険を私的保険会社から買って、その保険を医療費に充てる。お金のないその他の一般市民は国の援助で低額医療費範囲内で限られた治療のみを受けることができる。一般市民たちが瀕死の重症に陥った場合、手術のように高額治療のみが命を助ける手段であっても、支払うお金がなかければ治療を受けることができずに命を失ってしまう。 僕たちが訪れたパタヤ病院は大きな総合病院で、最先端医療を受けることが可能だった。その患者の多くが日本企業に努める駐在員の家族やUAEのような石油産出で裕福なアラビアの国から最新の医療を求めてやってくる患者たちだ。入院ベッドも支払うお金によって格差があるのだが、日本円にして一日3万円ほどする病室は高級ホテル並みの豪華さだった。日本でも差額ベッドのような自費によるサービスの差別化が進んできているが、そういった面ではタイの医療体制は一歩進んでいるように思えた。 美容医療先進国のタイ タイの美容医療もまた注目に値する。美意識が高く、物事を隠さないタイ人たちの気質が美容医療を積極的に受け入れるのだ。タイの美容医療の特徴として性転換手術がある。なぜかタイには性同一障害、いあゆる”おかま”と呼ばれる男性が女性に、逆に女性が男性に変身する人たちが多いのだ。この性転換手術に関してタイは世界有数の先進国である。日本ではあまり症例の多くないこの手術もタイの美容医療では最も数が多いのだ。しかも、タイの物価が安いことから手術も日本で受ける手術料金の三分の一ほどであるため、最近では世界各国から患者が集まっている。日本人の患者も少なくないそうだ。何故なら、比較的高い日本の美容手術料金を払うとすれば、それと同じ料金でタイ1週間旅行と美容手術を受けることが出来る。治療内容が悪くなければこれほどお得なことはない。僕の見る限りタイの治療レベルは決して低くないので、受ける治療内容を吟味すれば決して悪くはないと思った。病院内にはかなりの数の女性職員が働いているのだが、この女性たちがなかなかの美人ぞろいだ。もちろん整形手術を受けている職員も少なくないが、ぱっと顔を見る限り鼻の整形を受けている女性が多い。タイでは比較的団子鼻の女性が多く鼻を高くしているのだ。僕はこの道のプロなのでその辺の所はすぐに気がつくのだが、上手に治療されていると思った。ユニークだったのは病院が巨大なので、カルテを運ぶ女の子たちがローラースケートを履いて移動していることだった。彼女たちのスカートの丈は短く、アメリカのドライブインを思わせるような雰囲気だ。どちらかと言うと暗いイメージのつきやすい病院にとって、このような風景には明るさがあって決して悪くないアイデアだと感じた。 魅惑の国となったタイ 病院見学を終えた後、パタヤの海辺近くのレストランで昼食を食べた。例によってエビやカニにココナツやハーブの入ったスパイスをつけて食べるのだが、暑い国のせいかアルコール類は今ひとつ充実していない。こちらではアルコール濃度の濃いシンハービールが有名で、このビールに氷を入れて飲むのが習慣らしい。暑いタイで飲むにはぴったりの飲み物だが、昨日からこのビールはさんざん飲んだので別のものが飲みたかった。このレストランにはワインがあるとのことで、頼んでみることにした。14度で保たなければ酸化が進んで風味が落ちてしまうワインがタイで美味しく飲めるはずがなかったが、何事もチャレンジが大切だ。テイスティングをしてみると味は酸化のせいかやや三味が強かった。でも、パタヤの潮風を受けながらワインを飲んでいる僕たちはワインよりその雰囲気に十分酔うことが出来、上機嫌になった。同行している臨床抗老化学会の岡野氏らとともにはしゃいでいると、レストランで働く若者たちが面白そうにこちらを覗き込んでいた。きっと、同じ東洋人の僕たちが楽しそうにしているので親近感をもったのだろう。僕たちは思わず彼らと写真を撮ったあと、タイの言葉で「ありがとう」を意味する「コップン・カップ」と告げた。 短期間の旅行の最後となる帰路の飛行機は夜間便だった。夜10時に出発して朝の5時に成田到着だ。経済的にまだまだ発展途上にあるものの、混沌とした文化の中に潜在的な可能性をこの国に感じることが出来た。飛行機で一晩過ごせば現実の日本にひとっ飛びだ。成田空港では気温10度と先ほどまで30度以上あったタイと比べるととても寒かった。成田空港から成田エクスプレスの乗り場に移ると若い4、5人のタイ人女性が寒そうに列車を待っていた。僕は彼女たちに妙に親近感を覚え、思わずタイの言葉で「こんにちは!」を意味する「サワディ・キャップ!」と声をかけようとしたが、そんな脳天気なことは次回タイに行った時にすることにした。

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