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僕のアンチエイジング治療ー6

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低血糖発作 僕の身長は168cmだが北海道で研修医生活を行っている間の体重は57キロと痩せ気味だった。なにしろ朝は食べる習慣がないし、昼は入院患者と同じ入院食を食べていた。夜は外で外食をしたが消費カロリーのほうが摂取カロリーよりも少なかったのだ。ある日長時間の手術を終えて、その達成感の喜びのままマウンテンバイクで一気に山を駆け上った。気分が高揚していたせいもあり、空腹感は全く感じなかった。異変は下り坂で起きた。突如手足に震えがきて、胸がどきどきしてきた。救急外来でさまざまな患者を見てきた僕は自分に何が起きているのかすぐわかった。低血糖発作が起きたのだ。低血糖発作とは、車で言えばガス欠だ。人間の体は糖分を燃料に体を動かしたり、頭を使ったりしている。糖分は血液で運ばれているが、体の中の糖分の値は常に一定に保たれるように、インスリンとよばれる体内ホルモンで調節されている。インスリンは食後に膵臓から分泌されて、すぐに必要ではない糖分は肝臓に蓄えられる。このインスリンの働きが悪くなるのが糖尿病で、慢性的に血糖値が高くなるのだ。糖は高いままだと体に毒で、放っておくと失明の原因にもなる。 僕の場合、山にマウンテンバイクで駆け上がったために、血中の糖分を使い切ってしまったのだ。普通だと肝臓に蓄えられている糖分が血液に溶け出してくるのだが、僕の場合、痩せていたために肝臓にすら糖分が蓄えられていなかったのだ。低血糖発作は放っておくと危険だ。血糖値が60mg/dl以下になると意識も失う可能性があるのだ。何故なら、脳細胞は糖分しか燃料として使うことが出来ないからだ。解決法は簡単で、飴など糖分の多いものを口にすれば症状は一気に解決する。僕は下り坂の道を出来るだけ体力を使わないようにしながら、病院まで戻ってすぐに甘いものを口に入れた。症状はあっという間に解決したが、正直言って怖かった。痩せ過ぎも決して良くないと痛感した。 不足していた栄養素 このように、ダイエットは一つ間違えると危険な要素も持っている。栄養素が不足すると体の至る所に障害を来すからだ。僕の場合、カロリー不足もそうだったが、タンパク質も不足していた。体を病気から守る免疫グロブリンはタンパク質からで来ているから、タンパク質が不足すると病気にかかりやすくなる。骨もタンパク質の梁にカルシウムが張り付いているので、骨も弱くなる。僕が不足していたのはアミノ酸とマルチミネラルで、サプリを取るのであれば、これらのものを取るべきだった。正しい食事をしながらしかも太らないこと、これが本物のダイエットで食事制限するのは決して正しい方法ではなかったのだ。それにしても栄養をしっかりとって、それでいながら太らないというのは一見矛盾している。僕もこの矛盾を解き明かすのに長い時間がかかった。太らないためにはお腹がすいても意志の力で食欲を我慢するしかないと思っていたのだ。 東京に来てアンチエイジングの治療に関する知識はどんどんと増えていった。しかし、身に付いたのは知識だけではなかった。東京に出てきて半年の間に北海道での厳しい生活から解放されてあっという間に太ってしまったのだ。体重が一気に3~4キロ増えていた。久しぶりに会った看護婦さんは精悍さを失った僕の顔を見て、がっかりしていた。確かに東京では夜間当直がなく、思う存分寝ることができたし、美味しいものをたくさん食べる機会がどんどん増えた。まるで、刑務所からでてきた囚人のような状態だったので、やむを得なかったのかもしれない。僕はこれではいけないと思ったが、気がつかない間に蓄えてしまった余分な体重を簡単に減らすことは容易ではなかった。それはダイエットにおける根本的理論を理解していなかったからだ。

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