GINZA CUVO

1999年11月アーカイブ

虫歯の原因

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最近僕のクリニックでは口の中から頬のたるみを改善する治療が増えている。クリニックを訪れる美意識の高いお客さんたちは目周囲のくま、たるみ等から解放されると、次に 自分の頬を指さしながら頬のたるみをなんとかしたいと訴えるようになる。それもそのはず、人の顔にはたるみを引き起こす余分な脂肪が2箇所存在する。それは眼周囲にある脂肪と頬にある頬脂肪なのだ。脂肪は容積があり、その中に血液やリンパ液などの液体をたっぷりと含むので、こういった脂肪を放っておくと、顔のたるみの主たる原因になる。

だから美意識の高い人たちは、本能的にたるみの原因である脂肪の存在を察知し、可能であれば除去しようと思うのだろう。頬の治療は口腔内から行うので、僕はまるで歯科医になったような気がする。頬のたるみ治療は立ったまま長時間口の中をのぞき込んで行うため、治療後に腰の張りを感じるほど労を要す作業だ。だが皮膚切開を伴わないという患者さんの絶対的メリットを考えれば、その努力は報われると思っている。

頬たるみの治療前、歯の位置を目印にレーザー進入部位を正確に決定するため、歯数を正確に数える。その際、ほとんどの日本人には必ずといっていいほどいくつかの虫歯の治療跡や欠損歯があることに気がつかされる。それに比べると、最近ちょくちょくこの治療を受けに来る中国人たちにほとんど虫歯等がない。これは1~2人の話ではなく、ほとんどの中国人たちの歯の健康状態は日本人に比較して圧倒的に良い。

その原因は間違いなく両国間の食習慣の違いにあると思われる。第二次世界大戦後、敗戦国となった日本は米国文化にどっぷりと漬かり、砂糖をふんだんに使ったスイーツやデザートを食べる習慣が導入され、虫歯の罹患率が急速に増加したのだ。その証拠に戦前生まれの僕の両親に虫歯や欠損歯は皆無だった。

学会出席等で中国を訪れる機会が増え、最近気がついたのだが、中国では日本で食べるお菓子等はほとんど食べず、繊維質ふんだんな果物やナッツなどをデザート代わりにしている。そういった健全な食習慣のため、戦前の日本人のように虫歯となることがほとんどない。

日本は戦後めざましい高度経済成長を遂げ、誰しもが豊かさを享受できる国となったが、我々の健康面では経済的豊かさの弊害が健康面に生じていると言わざるを得ない。虫歯に限らず、飽食の時代の影響は癌や心血管障害による死の主たる原因となっている。物質的に満たされた今こそ、我々は出来るだけ健康で充実した人生を過ごすために、豊かさに伴うこういった負の要因を見直す時期が来ている。

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