GINZA CUVO

2013年5月アーカイブ

真っ先に僕か考えたのは、老若男女を問わず、この症状に悩むすべての人達に皮膚切開を用いない目の下のクマ(くま)、たるみ治療を行うことでした。表-1の如く、比較的若年層の患者さんには以前から示されていたように、"脱脂治療"のみでも良好な効果が得られることが再確認されました。


しかし中高年層以降の目の下のたるみや、若年層世代の目の下のクマ(くま)には"脱脂治療"のみの効果は限定的でした。そして、"脱脂治療"のみでより明らかな結果を得ようと過剰に脱脂すると、目の下に凹みや陰影を形成したり、目の下表面皮膚のアンバランスが原因でしわが増加するなどの副作用が出現する恐れがありました。


表-1



"脱脂治療"の適応

若年層の目の下のたるみ

若年層の目の下のクマ(くま)

×

中高年層以降の目の下のたるみ

中高年層以降の目の下のクマ(くま)

×



したがって、若年層の目の下のたるみ治療以外で脱脂を行うのは、極力控え目に脱脂するしかありませんでした。当然得られる治療結果も限定的で、満足度も決して高いものとは言えませんでした。


以上に述べた点が、当時行われていた皮膚を切らない目の下のクマ(くま)、たるみ治療(脱脂)の限界でありジレンマだったのです。だからといって、再び皮膚切開法に立ち戻る訳にもいきませんでした。それは時代がダウンタイム(回復期間)が短く、自然な結果の得られる治療法以外は受け入れなくなっていたからです。


2005年、僕が皮膚を切らない目の下のクマ(くま)、たるみ治療を推奨し、急激な人気を獲得しました。そして僕のクリニックが、この治療でいわゆる"ブレイク"状態になったのを見た競合他院は、2006年あたりから同様の治療をおもむろに開始しました。


それもそのはず2007年の最繁忙期には、僕のクリニックにはこの治療を求めるお客様がなんと4ヶ月待ちの状態にまで膨れ上がりました。しかしどの施設が行う治療も、僕が当時行っていた脱脂法を越えるものはなく、その治療適応範囲はやはり限定的でした。


しかし"脱脂法"のみを行っていたにもかかわらず、当院が競合他院より人気があったのは明白な理由があります。それは当院で行う脱脂法は、下眼窩脂肪を前方位置から少しずつ除去してゆく"前方アプローチ法"を初期から導入したことです。僕は開業前の2003年、この前方アプローチを米国で学び、それ以来すべての症例で"前方アプローチ法"を用いています。


しかし、僕が2002年に当時勤務していた十仁病院で学んだ"脱脂法"は"前方アプローチ法"ではなく、下眼窩脂肪を後方から取り出す"後方アプローチ法"でした。そして僕が開業してしばらく時間が経過してから気がついたのですが、日本の多くの施設で"後方アプローチ法"が用いられていたのです。


今から10年余り前、美容外科医療の世界では国際交流が今ほど盛んではなく、我が国独自に"後方アプローチ法"が下眼窩脂の脱脂法として継承されたのが原因と考えられます。その証拠に当時僕が本邦学会で下眼瞼脱脂法の治療アプローチについて論じたとき、"前方アプローチ法"の存在を知らない医師たちが多く、理解を示したのはヨーロッパで美容医療の経験がある医師たちのみでした。


では次回、下眼瞼脱脂法を行う際、何故"前方アプローチ法""後方アプローチ法"よりも優れた方法でなのかを述べたいと思います。


目の下のたるみ治療について

目の下のくま治療について