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1.1 形成外科の一部門として確立されるまで

 

 

古代インドの「造鼻術」に始まる世界美容外科

 

世界最初の美容外科の手術は紀元前 1500 年頃,古代インドで“造鼻術”が行わ れたという記録がある.当時のインドでは,刑罰として「鼻そぎの刑」が行われて いたが,そのそがれた鼻を元に戻すために額の皮を移植して鼻形成をしたというの である.

 

眼瞼周囲の美容外科については,紀元前 400 年頃のインドの記述,Susruta- tantra に記載があるが,時を隔てて近代では 1845 年にドイツのディーフェンバッハが,ユダヤ人に特徴的な鷲鼻を当時の美的基準に照らしてギリシャ・ローマ人のような均整の取れた形にする鼻形成術が行われていた.

 

美容整形と形成外科の原点は一緒であり,紀元前 6 世紀頃の古代インドと言われている.そこで行われていた造鼻術の技術はギリシャやローマにも伝わり,ルネサ ンス期の 1597 年にはイタリアのタリアコッティが形成外科の教科書を書いている.

 

エリザベス・ハイケンの『プラスティックビューティー〜美容整形の文化史〜』 によると,美容整形の原点とも言える形成外科の歴史は古く,16 世紀にイタリア のタリアコッチが決闘で失われた鼻の再建を上腕からの皮膚移植により成功させた という記述があるが,それ以降は形成外科の記録はなく,歴史的記録としては,第 一次世界大戦で英仏米各国の従軍医による戦傷者治療まで待たなくてはならない.

 

 

「美しくなる」ためには時間と努力を惜しまない女たちの登場

 

当時は負傷者の中に顔面外傷も多数含まれており,「形成外科」という呼称はな かったが,従軍医たちは再建手術として治療に当たっていた.そして,第一次世界 大戦後のアメリカ社会では医療分野の専門化,組織化が急速に進み,形成外科部門 は戦時中の功績が認められ独立した分野になっていき,それとともに「美容外科」 へも次第に注目が集まっていったのである.

 

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当時のアメリカ女性は,「美しくなる」ためには時間と努力を惜しまず,重症を負っ た兵士にも負けないほどの大金を美容医療に投じたという記録も残っている.

 

1921 年には美容外科手術がアメリカ社会にすっかり定着し,アメリカの女性に とって〈美〉はたんなる願望ではなく日常生活の中で必須のものになっていった. つまり,「美容整形」は戦傷者治療によって確立された形成外科の一部門として, そこから独立していくという成り立ちを持っているのである.

 

 

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